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SPME Arrow GC-MSによる食品中フランおよびアルキルフランの分析

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概要

サンプル前処理にSPME ArrowとPAL CTCオートサンプラー、分析カラムにRxi-624Sil MSカラムを用いて、乳児用調合乳(以降、粉ミルク)とコーヒーサンプル中のフランとアルキルフランのGC-MS最適化条件を確立しました。この実験の結果、高濃度と低濃度のフランおよびアルキルフランを含む多様なサンプルタイプには、SPME Arrowを用いた前処理が適していることが明らかとなりました。ヘッドスペースのみ、またはSPMEとHSの併用と比較して、SPME Arrowのみを前処理に用いることで、食品安全検査ラボの生産性向上が期待されます。

はじめに

フランおよびアルキルフランの潜在的な健康リスクに対する認識の高まりにより、これらの化合物の分析に対する需要も増加しています。フランおよびアルキルフランは、焙煎や殺菌などの加熱工程で起こる化学反応によって生成されるため、様々な食品を通じて曝露の可能性があります。この曝露による影響がまだ十分に分かっていないため、欧州委員会は2022年初め、加盟国に対し、特定の食品に含まれるフラン、2-メチルフラン、3-メチルフランをモニタリングするよう求める勧告を採択しました[1]。また、2,5-ジメチルフラン、2-ペンチルフラン、2-エチルフランなどの非メチルフランについても、信頼性が実証された方法がある場合、モニタリングすることを推奨しています。

フランおよびアルキルフランは揮発性化合物であり、静的ヘッドスペース(HS)および/または固相マイクロ抽出(SPME)とGC-MSとを組み合わせて分析できます。静的ヘッドスペースGC-MSは通常、フランおよびアルキルフランを高濃度で含むコーヒーなどのサンプルには適していますが、低濃度のサンプルでは分析の感度が十分でない場合があります。一方、SPMEは高感度な分析が可能であり、低濃度のサンプルに適していますが、従来のSPMEファイバーは非常に脆く、ハイスループットが求められるラボでの使用には課題が残ります。

このような技術的制約により、食品安全検査ラボは、規制機関が求める要件を満たす効率的なワークフローを構築することが難しいという課題があります。しかし、ラボの現場においては、幅広い濃度範囲の成分を高感度かつ迅速に分析でき、長期間安定して運用可能な耐久性を備えた、コスト効率の高いソリューションが求められています。

以上のような課題解決を目的として、SPME Arrowの性能評価を実施、SPME Arrowを単一の前処理法としてフランおよびアルキルフラン分析に使用可能か検討を行いました。SPME Arrowは第2世代のSPMEデバイスで、破損を防ぐためにシースとインナーロッドで機械的に強化されており、負荷容量を増やすために液相量も多くなっています(Figure 1)。本研究では、サンプル前処理技術の初期比較に基づき、コーヒーおよび粉ミルク中の特定の濃度範囲にわたって、フランとアルキルフラン分析に最適なSPME Arrow GC-MSメソッドを開発しました。

Figure 1: SPME Arrowは、従来のファイバーよりも負荷容量が大きく、破損を防ぐために金属で被覆されています。
SPME Arrows SPME ファイバー
figure-article-FSAN3916-01a.jpg figure-article-FSAN3916-01b.jpg
 

実験

標準溶液

ターゲットの分析対象成分(以降、ターゲット成分)の単品標準溶液は、それぞれが1 mg/mLとなるよう、ガラスシリンジを使用して純標準物質をメタノールに添加して調製しました。次に、それらを用いて、全成分を含む100 ppm混合ストック溶液をメタノールで調整しました。内部標準物質の100 ppm混合ストック溶液も同様に調整を行いました。検量線の低濃度範囲をカバーするために、100 ppm混合ストック溶液をそれぞれ10 µLと50 µL、LC-MSグレードの水10 mLに添加して、0.1 µg/mLと0.5 µg/mLの作業標準溶液を調製しました。1 μg/mLの内部標準溶液は、100 ppm混合ストック溶液100 μLを9.9 mLの超純水に添加して調整しました。コーヒーサンプルには、高濃度のターゲット成分が含まれていたため、ターゲット成分および内部標準物質の作業標準溶液(0.5、10、25 μg/mL)を調製しました。まず、単品標準溶液を超純水に直接添加して10 μg/mLおよび25 μg/mLの作業標準溶液を作成しました。この10 μg/mL溶液500 μLを超純水で10 mLに希釈することで、0.5 μg/mLの作業標準溶液を調製しました。

サンプル前処理

粉ミルクとインスタントコーヒーサンプルは、地元の食料品店で購入しました。ヘッドスペース、従来のSPMEファイバー、SPME Arrowを比較する予備実験を行い、広範囲な濃度のターゲット成分に適したサンプル前処理手順を確立しました。テストを行ったパラメータには、コーティングの化学的性質、インキュベーション時間と温度、抽出時間などが含まれます[2,3,4]。

初期のサンプル前処理実験の結果に基づき、SPME Arrowが最適なアプローチとして選択され、その後のメソッド評価実験ではTable Iに示す最適化条件で使用されました。すべてのサンプルと校正用溶液は、20 mL ガラスバイアルの中で調製し、PAL CTCオートサンプラーに組み込まれた 120 µmワイドカーボンレンジ/PDMS Restek PAL SPME Arrow(cat.# 27487)を使用して、自動ヘッドスペース SPMEで抽出および分析を行いました。

Table I: 粉ミルクおよびコーヒーのサンプル前処理条件

サンプル

粉ミルク

コーヒー

容量

0.5 g

30%塩化ナトリウム溶液添加量

10 mL

5 mL

内部標準溶液の添加量

50 µL

(1 µg/mL 溶液)

40 µL

(25 µg/mL 溶液)

インキュベーション時間

10 min

インキュベーションおよび抽出温度

50 °C

撹拌

250 rpm

HS-SPME抽出時間

10 min

1 min

脱着温度

280 °C

脱着時間

1 min

 

検量線

30%塩化ナトリウム溶液で2種類の検量線を作成しました。粉ミルクサンプルには低濃度検量線を用い、コーヒーサンプルには高濃度検量線を用いて定量を行いました。低濃度検量線用には10 mL、高濃度検量線用には5 mLの塩化ナトリウム溶液をバイアルに充填しました。Table IIに示した異なる容量のターゲット成分の作業標準溶液を加えて、異なる濃度の校正用バイアルを準備しました。また、各校正用バイアルに内部標準溶液を添加しました(低濃度の検量線用には1 µg/mL溶液を50 µL、高濃度の検量線用には25 µg/mL溶液を40 µL)。マトリックスの違いによる回収率のばらつきを補正するために、ほぼすべてのターゲット成分に対して同位体標識化合物を使用することが不可欠でした。ただし、2-メチルフランと3-メチルフランについては、2-メチルフラン-d6が両方の化合物に対して適用可能だったため、それぞれ専用の標識化合物を用意する必要はありませんでした。 検量線は、ターゲット成分の面積/内部標準物質の平均面積比(n=2)を添加濃度に対してプロットし、作成しました。

Table II: 校正用溶液

 

低濃度の検量線  

高濃度の検量線

バイアル中の分析対象成分 ng

添加した作業溶液 μL(溶液濃度)

バイアル中の分析対象成分 ng

 添加した作業溶液 μL(溶液濃度)

Level 1

1.25

12.5 (0.1 µg/mL)

25

50 (0.5 µg/mL)

Level 2

2.5

25 (0.1 µg/mL)

50

100 (0.5 µg/mL)

Level 3

5

10 (0.5 µg/mL)

100

10 (10 µg/mL)

Level 4

10

20 (0.5 µg/mL)

200

20 (10 µg/mL)

Level 5

20

40 (0.5 µg/mL)

500

50 (10 µg/mL)

Level 6

50

100 (0.5 µg/mL)

1000

100 (10 µg/mL)

Level 7

100

200 (0.5 µg/mL)

2000

200 (10 µg/mL)

Level 8

150

300 (0.5 µg/mL)

4000

400 (10 µg/mL)

Level 9

 

 

8000

800 (10 µg/mL)

 

メソッド検証サンプル

メソッド性能を評価するために、AOAC [6]の標準メソッド性能要件に基づき、粉ミルクとコーヒーサンプルに、2つの異なる濃度レベルで、既知量のターゲット成分を添加して評価を行いました。(粉ミルクサンプルは5 µg/kgと50 µg/kg(n=3)で、コーヒーサンプルは1000 µg/kgと4000 µg/kg(n=3)で添加)。内部標準物質のみを添加したブランクサンプルに関しても分析を行いました(n=3)。

分析メソッド

フランおよびアルキルフランのGC-MS分析は、5977B MSDと組み合わせたAgilent 7890B GCで実施しました。GC-MSメソッドの詳細をTable IIIおよびTable IVに示します。ワイドカーボンレンジSPME Arrowsで高濃度なコーヒーサンプルの分析を行うために、以下のように3つのメソッドパラメータを変更しました。GC スプリットを 100:1 (スプリット流速 140 mL/min) に設定、抽出時間を 1 分に設定、塩化ナトリウム溶液の容量を5 mLに調整しました。SPME Arrowに対応するため、内径が広い1.8 mmの注入口ライナーを使用しました。

Table III: GC-MS装置条件

カラム

Rxi-624Sil MS, 30 m, 0.25 mm ID, 1.40 µm (cat.# 13868)

注入モード

スプリット  (粉ミルクは10:1 コーヒーは 100:1)

ライナー

Topaz 1.8 mm ID SPME/straight liner (cat.# 23280)

注入温度

280 °C 

スプリットフロー

·         粉ミルク: 14.0 mL/min (10:1)

·         コーヒー: 140 mL/min (100:1)

パージフロー

5 mL/min 

オーブン

35 °C (hold 3 min) to 75 °C by 8 °C/min, then to 200 °C by 25°C/min (hold 1 min)

キャリヤーガス

He, constant flow 

流速

1.40 mL/min 

分析装置

MS (四重極)

取得タイプ

SIM 

イオン化モード

EI (70 eV)

トランスファーライン温度

280 °C  

ソース温度

325 °C 

四重極温度

200 °C  

溶媒ディレイ

2.2 min

  

Table IV: MSパラメータ(SIMモード)

セグメント 開始時間(分)

化合物 (tR, min)

イオン

Dwell Time (ms)

2.2

Furan (2.447)

39

50

68*

Furan-d4 (2.428)

42

72*

4.2

2-Methylfuran (4.536)

53

30

81

82*

3-Methylfuran (4.846)

53

30

81

82*

2-Methylfuran-d6 (4.464)

58

30

88*

6.6

2-Ethylfuran (7.100)

53

30

81*

96

2-Ethylfuran-d5 (7.001)

55

30

101*

2,5-Dimethylfuran (7.243)

67

30

95*

2,5-Dimethylfuran-d3 (7.179)

84

30

99*

10.6

2-Pentylfuran (11.570)

81

30

138*

30

2-Pentylfuran-d11 (11.501)

83

30

149*

30

*定量イオン

結果と考察

ヘッドスペース、SPMEファイバー、SPME Arrowによるサンプル前処理の比較

本研究の初期段階では、さまざまなサンプリング戦略の比較を行いました。SPME Arrow(ワイドカーボンレンジコーティング)、従来のSPMEファイバー(ワイドカーボンレンジコーティング)、およびヘッドスペースを使用して、すべてのターゲット成分(各ターゲット成分20 ng)を添加した30%塩化ナトリウム溶液(10 mL)からサンプリングを行い、観察された面積値で評価を行いました。Figure 2に示されるように、SPME Arrowは、ヘッドスペースや従来のSPMEファイバーと比較して、すべてのターゲット成分に関して有意に高いレスポンスを示しました。また、SPMEファイバーと比較して、SPME Arrowにはステンレス製シースと安定化用のインナーロッドを備えており、使用中の破損を防ぐという利点もあります。これらレスポンスデータの有意性および頑丈なステンレス製構造に基づき、SPME Arrowのみをサンプル前処理として採用し、GC-MSメソッドの開発を行いました。

Figure 2: SPME Arrowを使用した際の分析対象成分のレスポンスは、ヘッドスペースや従来のSPMEファイバーを使用した際よりも有意に高かった

figure-article-FSAN3916-05.jpg

 

分析性能

揮発性有機物に対する選択性が高く、SPME 法とヘッドスペース法の両方に適していることから、フランおよびアルキルフランの分析には、Rxi-624Sil MS カラム(30 m、内径 0.25mm、1.40 µm [cat.# 13868])を使用しました。このカラムと最適化条件により、すべての化合物において、良好な分離が得られました。溶媒標準物質と添加サンプルのクロマトグラムの例をFigure 3~Figure 5 に示します。特に、2,5-ジメチルフランと2-エチルフラン(異性体化合物)、および2,5-ジメチルフラン-d3と2-エチルフランのクロマトグラム上の分離が達成されたため、正確な同定と定量が可能になりました(Figure 4)。このように、2,5-ジメチルフラン-d3と2-エチルフランのクロマトグラム上での分離が重要である理由は、これらの成分がm/z 95と96を除き、ほぼすべてのイオンをマススペクトルで共有しているためです。分離が不十分な場合、2,5-ジメチルフラン-d3が2-エチルフランの主要な確認イオン(m/z 81および53)の一部として誤検出される可能性があります。なお、本研究では、すべての化合物が14分間の分析で十分に分離されることを確認しました。

 
Figure 3: 10 ng/mL 標準物質中の内部標準物質を用いたフランおよびアルキルフランの分析。最適化された昇温条件で、Rxi-624Sil MS カラムを使用して、2-エチルフラン、2,5-ジメチルフラン-d3、2,5-ジメチルフランの良好な分離を達成しました(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
cgarm-img
GC_GN1218
 
Figure 4: 5 µg/kg で添加された粉ミルクサンプル中のフランおよびアルキルフランの分析(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
cgarm-img
GC_GN1219
 
Figure 5: 1000 µg/kg で添加したインスタントコーヒーサンプル中のフランおよびアルキルフランの分析(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
cgarm-img
GC_GN1220
 

直線性

各化合物に対して適切な重水素化類似体を用いて、塩化ナトリウム溶液(30%)中のターゲット成分すべてについて検量線を作成しました。同位体標識された内部標準物質の使用は、サンプルマトリックスからのターゲット成分の回収率と添加された塩化ナトリウム溶液からのターゲット成分の回収率の違いを考慮するために不可欠でした。本研究で採用した定量法は、2020年にFrankらによって発表された方法[5]を若干修正したものです。低濃度検量線の範囲はバイアル内のターゲット成分1.25~150 ng(8点校正)、高濃度検量線の範囲はバイアル内のターゲット成分25~8000 ng(9点校正)でした。Figure 6からわかるように、試験した範囲内ではすべてのターゲット成分で良好な直線性が確認され、決定係数はすべて0.99以上を示しました。ペンチルフランについては、低濃度検量線は1.25~100 ngで、高濃度検量線はバイアル内の25~2000 ngの範囲で、それぞれ良好な直線性を示しました。

Figure 6: SPME Arrowを用いたフランおよびアルキルフラン分析の検量線

figure-article-FSAN3916-06.jpg

 

粉ミルクとコーヒーサンプルにおけるメソッドの検証

粉ミルクとコーヒーのブランクサンプルには、いくつかの目的分析成分が有意な濃度で含まれていることが明らかとなりました。。粉ミルクには低濃度検量線、インスタントコーヒーには高濃度検量線をそれぞれ使用して、分析を行いました。Table VTable VIに、分析結果をまとめています。粉ミルクでは、3-メチルフランが低濃度添加時に回収率113%を示したものの、それ以外の分析成分はすべて80~110%の回収率基準を満たしていました。一方、コーヒーの結果では、低濃度添加時はすべての成分が基準をクリアしましたが、高濃度添加時には回収率に高い偏りが観察されました。今後の実験では、サンプルサイズ、サンプルの取り扱い、希釈についてさらに調査すべきかもしれませんが、それでも回収率は上限値の110%に近い値を示しました。これらの結果から、SPME Arrowは、低濃度サンプルだけでなく、高濃度サンプルの分析においても有効なアプローチである可能性が示されました。

Table V: 粉ミルク中のフランおよびアルキルフランの分析

分析対象成分

ブランク (n=3)

低濃度 (n=3),

5 µg/kg*

高濃度 (n=3),

50 µg/kg*

濃度, µg/kg

RSD, %

精度, %

RSD, %

精度, %

RSD, %

Furan

16

1

110

2

94

4

2-Methylfuran

60

2

97

2

100

3

3-Methylfuran

-

-

113

3

107

6

2-Ethylfuran

67

2

93

3

105

5

2,5-Dimethylfuran

-

-

101

4

97

14

2-Pentylfuran

219

3

87

11

108

12

*精度は以下のように求めました: ((測定濃度-ブランク濃度)/添加後の濃度)*100

 

Table VI: インスタントコーヒー中のフランおよびアルキルフランの分析

分析対象成分

ブランク (n=3)

低濃度 (n=3),

1000 µg/kg*

高濃度 (n=3),

4000 µg/kg*

濃度, µg/kg

RSD, %

精度, %

RSD, %

精度, %

RSD, %

Furan

394

10

87

2

125

3

2-Methylfuran

843

10

94

3

116

2

3-Methylfuran

96

10

87

2

119

3

2-Ethylfuran

29

11

93

2

115

5

2,5-Dimethylfuran

46

11

98

2

120

4

2-Pentylfuran

-

-

83

3

83

11

*精度は以下のように求めました: ((測定濃度-ブランク濃度)/添加後の濃度)*100

 

結論

フランおよびアルキルフランの分析は、分析対象化合物が幅広い濃度範囲で存在し得る多様なサンプルタイプを扱うため、非常に複雑です。高濃度サンプルにはヘッドスペース法、低濃度サンプルには従来型のSPMEファイバーを用いることが可能ですが、本研究では、すべての濃度レベルのターゲット成分に対応可能な単一のアプローチを確立することを目的としました。ここで開発したSPME Arrowを用いたサンプル前処理は、低濃度(粉ミルクの場合:5および50 µg/kg)および高濃度(コーヒーの場合:1000および4000 µg/kg)のスパイクマトリックスにおいて評価され、ほとんどのケースで、直線性、精度、再現性の点で満足のいく結果が得られました。高濃度サンプルの分析には、異なるスプリット比(1:100)、抽出時間(1分)、および塩化ナトリウム溶液(30%)(5 mL)の条件を使用する必要があり、さらなる最適化が必要となる可能性が示唆されました。

以上のことから、本研究で示されたこのSPME Arrow GC-MSメソッドは、単一のサンプル前処理技術で高濃度および低濃度の両方のサンプルに対応できるため、分析ラボの効率性や生産性を大幅に向上させる手法となり得ることが示唆されました。

References 参考文献

  1. European Commission recommendation 2022/495, On monitoring the presence of furan and alkylfurans in food, 2022. https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32022H0495&from=EN#ntr1-L_2022100EN.01006001-E0001
  2. Reyes-Garcés, Analysis of furan and alkylfurans in food (part 1): choosing GC-MS conditions and a sample preparation technique, ChromaBLOGraphy, Restek Corporation, 2022. 
  3. Reyes-Garcés, Analysis of furan and alkylfurans in food (part 2): optimizing experimental conditions for the analysis of food matrices using the SPME Arrow, ChromaBLOGraphy, Restek Corporation, 2022.
  4. Reyes-Garcés, Analysis of furan and alkylfurans in food samples (part 3): Adjusting the experimental conditions for the analysis of samples with high concentrations of analytes and preparing calibration curves, ChromaBLOGraphy, Restek Corporation, 2022.
  5. Frank, M. Dubois, J.F. Huertas Pérez, Detection of furan and five alkylfurans, including 2-pentylfuran, in various food matrices, J. Chromatogr. A, 1622 (2020) 461119. https://doi.org/10.1016/j.chroma.2020.461119
  6. AOAC SMPR 2019.004, Standard method performance requirements (SMPRs) for furan and alkyl furans in coffee, baby foods, infant formula, cereals, and fruit juices, final version: October 3, 2019, AOAC International, Rockville, MD, U.S. https://www.aoac.org/wp-content/uploads/2019/09/SMPR_Furans_v6-For-Comment.pdf
 
 

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