超短鎖PFASの血漿および血清中の高感度分析
NIST標準参照物質を用いたLC-MS/MSメソッド
【目次】
- イントロダクション
- 超短鎖PFASとは?
- PFAS分析の課題と解決策
- LC-MS/MSを用いた超短鎖PFAS分析の特徴
- NIST標準参照物質による信頼性の確保
- バイオモニタリングでの超短鎖PFAS測定の重要性
- ダウンロード資料:LC-MS/MS分析に関するサイエンスレポート
1. イントロダクション
ペルフルオロアルキル化合物(PFAS)は、環境中に広く存在し、人体への影響が懸念されています。特にC1〜C3の超短鎖PFASはその高い極性により従来の分析手法では測定が難しく、信頼性の高い分析メソッドが必要です。本記事では、ヒト血漿および血清中の超短鎖PFASを対象としたLC-MS/MSによる高感度分析メソッドをご紹介します。
2. 超短鎖PFASとは?
超短鎖PFAS(C1〜C3)は、長鎖PFASと比較して分子量が小さく、極性が高いため、逆相クロマトグラフィーでの分離が難しい化合物です。環境中での偏在や人体への暴露が増加する中、適切な測定方法の開発が求められています。
Figure 1: C1からC3 PFASの構造
3. PFAS分析の課題と解決策
従来の液体クロマトグラフィーでは、超短鎖PFASの保持が難しいという課題がありました。そこで、極性基内包型Ultra IBDカラム(100 mm × 2.1 mm, 3 µm, (cat.# 9175312))を使用することで、C1〜C10のPFASを高感度で分離・定量することが可能となり、効率的な一斉分析が実現しました。
4. LC-MS/MSを用いた超短鎖PFAS分析の特徴
- 高感度なLC-MS/MS測定: 極性基内包型カラムにより超短鎖PFASの保持を改善し、マトリックス干渉を低減。
- PFASディレイカラム(cat.# 27854): 測定の正確性を確保するため、システムコンタミネーションを防止。
- 安定同位体標識を用いた内部標準: マトリックスの影響を補正することで、信頼性の高いデータ取得が可能。
Figure 2: 10 ppb PFAS標準試料のクロマトグラム(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
5. NIST標準参照物質による信頼性の確保
NIST標準参照物質である血漿(SRM 1950)および血清(SRM 1957)は、既知のPFAS濃度を含んでおり、測定精度の評価基準として使用されました。これにより、メソッドの再現性と信頼性が確証されています。
6. バイオモニタリングでの超短鎖PFAS測定の重要性
ヒト血漿および血清中の超短鎖PFASをモニタリングすることは、健康リスク評価や規制策定に不可欠です。本分析手法は、正確な測定データを提供するため、超短鎖PFASの健康影響に関する理解を深めるのに役立ちます。
7. ダウンロード資料:LC-MS/MS分析に関するサイエンスレポート
詳細な実験手法やデータについては、サイエンスレポートをダウンロードしてご確認ください。
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