大気分析に最適な、超高清浄度を持つ2つのSDVB吸着剤
清浄度保証付きSDVB吸着剤 Rezinの特長
- 圧倒的にクリーン ー 多環芳香族炭化水素(PAHs)、農薬、PCBs、ダイオキシン、PFASのバックグラウンド汚染を徹底的に抑えました。
- TO-13に対応 ー EPA Method TO-13で求められるPAHs残留基準をクリアしています。
- 使いやすさ ― 優れた粒子流動性が実現されたため粒子の塊ができず、正確でスムーズな取り扱いが可能です。
大気分析の専門家が開発したレジン吸着剤シリーズ
大気分析において求められるのは、バックグラウンド汚染を徹底的に抑えることですが、開封してそのまま使えるという点も重要です。スチレンジビニルベンゼン(SDVB)樹脂を使用する際に、大気分析ラボはいくつかの課題に直面します。Restekの大気分析専門ケミストは、ここに注目しました。半揮発性有機化合物(SVOC)サンプリングにおける数十年の経験により、大気分析ラボのニーズを満たすように設計された2つのレジンを開発しました。
清浄度保証付きRezin SDVB吸着剤
Rezinは、圧倒的な清浄度を持つプレミアムSDVB吸着剤です。大気分析専門ケミストが新たに設計した独自の洗浄方法により、PAHs、農薬、PCB、PFAS、ダイオキシンなどの汚染物質によるバックグラウンド汚染を徹底的に抑えた樹脂製造に成功しました。Rezin吸着剤は、EPA Method TO-13で必要とされているPAH残留基準をクリアします。分析証明書付きであることが示すように、この規定要件を確実に満たす性能が保証されます。
さらに、Rezin吸着剤は、ボトルから取り出してそのまま使用できるよう特別に開発されています。そのため、多くのアプリケーションにおいて追加の洗浄が不要となりました。つまり、ラボのコストと時間を削減することも実現しました。
Clean SDVBレジン
Clean SDVBレジンは、大気中SVOCサンプリングに最適で、コストを抑えて信頼性の高い分析を行いたいラボに最適です。RestekのプレミアムRezin吸着剤と同じSDVB基材を使用したClean SDVBレジンは、徹底した洗浄とガスパージを行った後にボトル詰めされます。Rezin吸着剤ほどの高い清浄度とバックグラウンド汚染の低さが必要とされていないなら、その分析にはClean SDVBレジンが最適です。
安定して卓越した清浄度
清浄度保証付きRezin SDVB吸着剤とClean SDVBレジンはどちらも、大気中の多環芳香族炭化水素(PAHs)、農薬、PCBs、PFAS、ダイオキシンなどの半揮発性有機化合物試料を採取するために、大気や排ガスのアクティブサンプリング用として使用されます。EPA Method TO-13やOTM-45のようなサンプリング方法に使用される場合、通常、洗浄されたレジンがガラス製ホルダーに入れられ、洗浄されたポリウレタンフォームプラグまたはガラスフリットで固定されます。一定時間、真空ポンプを使ってレジンにエアーを通し、その後レジンをホルダーから取り外して抽出します。抽出液は分析用に調整されます。
Restek SDVB吸着剤の物理的特性はXAD-2レジンと同等です(Table I参照)。
Table I: RestekのSDVB吸着剤の物理的特性
粒子パラメータ | 基準 |
粒度分布 | 20-60 mesh |
平均表面積 (m2/g) | 350-360 |
平均密度 (g/mL) | 1.10-1.15 |
平均細孔直径 (Å) | 90-100 |
平均細孔容積 (mL/g) | 0.65 +/- 0.1 |
SDVB吸着剤にはその製造過程での残留物が多いため、さまざまな溶剤を用いた洗浄が必要です。検査される分析対象成分によって、洗浄方法と許容される残留基準は変わります。SDVB吸着剤にはナフタレンやその他のPAHsが高濃度で含まれています。EPA Method TO-13などのメソッドが求める基準まで、これらの物質を除去する必要があります。RestekのRezin吸着剤は、EPA Method TO-13の要件が求める残留基準(Table II参照)を満たすか、それを上回っていることが証明されています。
Table II: 清浄度保証付き吸着剤Rezinの分析証明書からの抜粋
検査対象 | 基準* | 結果 |
ナフタレン | <750 ppb | 合格 |
その他のPAHs† | <150 ppb each | 合格 |
†Acenaphthene, Acenaphthylene, Anthracene, Benz[a]anthracene, Benzo[a]pyrene, Benzo[b]fluoranthene, Benzo[g,h,i]perylene, Benzo[k]fluoranthene, Chrysene, Dibenz[a,h]anthracene, Fluoranthene, Fluorene, Indeno[1,2,3-cd]pyrene, 1-Methylnaphthalene, 2-Methylnaphthalene, Phenanthrene, Pyrene(アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[g,h,i]ペリレン、ベンゾ[k]フルオランテン、クリセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン、1-メチルナフタレン、2-メチルナフタレン、フェナントレン、ピレン)
洗浄したレジンの残留濃度は、特定のサンプリング方法で対象としている成分については許容範囲内であったとしても、別のサンプリング方法で対象となる他の化合物クラスの残留が確認される場合があります。そのため、さらなる洗浄が必要になることがあります。より低い検出限界を必要とするサンプリングには、Clean SDVBレジンや他のレジンに比べて残留物が大幅に低減されている、清浄度保証付きRezin SDVB吸着剤を使用することをお勧めします。分析によりますが、RestekのRezin吸着剤はボトルから取り出してすぐに使用できるように製造されています。もし洗浄が必要であったとしても、他のレジンに比べて洗浄の手間はかかりません。
PFAS化合物は環境中に広く存在しており、微量レベルの分析が求められケースも増えています。そのため、洗浄したレジンにPFASがコンタミしないよう、特別な取り扱いが推奨されています。これに対応し、RestekのRezin吸着剤は、大気中の揮発性有機化合物測定に関するTO-13規格で求められる品質基準を満たすよう設計・管理し、その規格に準拠したQC試験を実施しています。なお、通常のQC試験項目には含まれていないPFASやPCB、ダイオキシン類などの化合物については、参考試験として残留物検査を実施した結果、対象成分のほとんどは検出限界未満、または検出された場合でも非常に低濃度であることが確認されています。
比類ない圧倒的な清浄度
他社製造の洗浄されたXAD類似レジンをご使用いただくことも可能ですが、いくつかの化合物に関しては、Restekレジン吸着剤と比較して著しく高い残留濃度が確認されています(Table III参照)。
Table III: 圧倒的な清浄度がもたらす卓越した性能
Restek | 競合他社A | ||||
清浄度保証付きRezin SDVB吸着剤 (ppb) | Ultra-Cleanレジン SDVB吸着剤 (ppb) |
XAD-2レジン A (ppb) |
XAD-2レジン B (ppb) |
XAD-2レジン C (ppb) |
|
PFBA | 0.1539 | 2.409 | 3.288 | 4.661 | 1.324 |
PF4OPeA | ND | 3.221 | 0.611 | 0.469 | 0.265 |
ADONA | ND | 0.315 | 0.424 | 0.569 | 0.315 |
テストを行ったEPA OTM-45の対象となる化合物すべてについて、Rezin吸着剤からは検出されませんでした。
また、他社製品には粒子流動性がないため、サンプルのスムーズな取り扱いが難しくなることがあります。清浄度保証付きRezin SDVB吸着剤は、残留溶媒を除去したうえで、ふるい分けと均一化を行い、パッケージングしています。その結果、粒子の塊ができず、流動性が優れた、ラボにとって使いやすく清浄度が高いレジンとなります。