LC-MS/MSによる迅速で簡単な4.5分のピロリジジンアルカロイド分析
Featured Application: Raptor ARC-18によるピロリジジンアルカロイドの分析
- ほとんどのピロリジジンアルカロイド類が4.5分間の高速分析でベースライン分離できます。
- シンプルな移動相と良好なピーク形状で化合物を迅速に溶出するグラジエント。
- 堅牢なRaptor ARC-18カラムは、酸性条件下で従来のC18カラムよりも長持ちします。
ピロリジジンアルカロイド(PA)は,さまざまな種類の植物(たとえば,ヒナギク,ワスレナグサ,マメ科植物など)で自然に見られる毒素です。それらは植物が草食動物から身を守るために産生する二次代謝産物であり,欧州食品安全機関(EFSA)によると,おそらく最も広く分布している自然毒です。6000種以上の植物にピロリジジンアルカロイドが含まれていることが知られていますが,人や動物の中毒に直接関与している種はわずかです。また,約700の既知のPAのうち,1,2-不飽和化合物は最も毒性が高く,致命的な肝障害を引き起こす可能性があります。収穫物に偶然PAを含む植物が混ざり込んだり,ミツバチの食物源として使用されたりすると,ハーブ,茶,蜂蜜,および穀物へピロリジジンアルカロイドが混入する可能性があります。
世界保健機関(WHO)コーデックス委員会は,PAに「合理的に達成可能な限り低く」というALARA原則を適用しているため,食品,飼料,医薬品中の有毒化合物を監視する各地域における取り組みに伴い,高速で正確なピロリジジンアルカロイド分析法の必要性が増しています。 硫酸処理,SPE C18クリーンアップ, LC-MS/MSによる分析を取り入れた,現在,唯一となるハーモナイズ法が開発され,ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)によって検証されています[1]。BfRプロトコルで提供されるメソッド例では,150 x 2.1 mm, 1.9μm の全多孔質粒子C18カラムを使用し,9.33分でlasiocarpine-N-oxide (LaN)が最後に溶出するため,分析時間を15分に設定しています。しかし,ここで示すケーススタディでは,表面多孔質の 50 x 2.1 mm,2.7 μm Raptor ARC-18 カラムに切り替えると,わずか3.2分(合計4.5分の分析時間)でLaNを溶出しながら十分な保持が得られます。なお,この例ではUHPLCを使用しましたが,この分析に必須というわけではありません。優れたピーク形状が得られ,echimidineとそのN-オキシド体を除くすべての化合物がベースライン分離されました。Raptor ARC-18カラムの特徴的な固定相構造により,従来のC18カラムと比較して,酸性条件下での寿命も長くなります。
ピロリジジンアルカロイド分析の範囲が拡大し続けるにつれて,メソッドはそれに合わせて改良していく必要がありますが,今日の課題に対しては,Raptor ARC-18カラムを使用することで,メソッド条件を最適化し,全体の実行時間を短縮し,サンプルスループットを向上できます。
参考文献
- Bundesinstitut für Risikobewertung (BfR), BfR-PA-Tee-2.0/2014, Bestimmung von Pyrrolizidinalkaloiden (PA) in Pflanzenmaterial mittels SPE-LC-MS/MS, 2014. https://www.bfr.bund.de/cm/343/bestimmung-von-pyrrolizidinalkaloiden.pdf

Peaks | tR (min) | Precursor | Product 1 | Product 2 | Product 3 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1. | Monocrotaline | 0.677 | 326.20 | 120.3 | 121.30 | 94.25 |
2. | Incidine | 1.111 | 300.20 | 94.15 | 138.20 | 156.36 |
3. | Heliotrine | 1.763 | 314.30 | 138.20 | 156.20 | 120.20 |
4. | Heliotrine N-oxide | 1.895 | 330.25 | 172.25 | 138.20 | |
5. | Senecionine | 2.240 | 336.20 | 120.30 | 138.30 | |
6. | Senecionine N-oxide | 2.410 | 352.35 | 94.20 | 120.30 | 118.25 |
7. | Echimidine | 2.524 | 398.30 | 120.25 | 220.15 | |
8. | Echimidine N-oxide | 2.528 | 414.25 | 396.30 | 352.20 | 254.25 |
9. | Lasiocarpine | 3.028 | 412.20 | 120.20 | 220.15 | 336.25 |
10. | Lasiocarpine N-oxide | 3.260 | 428.25 | 254.25 | 352.25 | 120.30 |
Column | Raptor ARC-18 (cat.# 9314A52) | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Dimensions: | 50 mm x 2.1 mm ID | ||||||||||||||||||||
Particle Size: | 2.7 µm | ||||||||||||||||||||
Pore Size: | 90 Å | ||||||||||||||||||||
Temp.: | 25 °C | ||||||||||||||||||||
Standard/Sample | |||||||||||||||||||||
Diluent: | 0.1% Formic acid in water | ||||||||||||||||||||
Conc.: | 10 ng/mL | ||||||||||||||||||||
Inj. Vol.: | 1 µL | ||||||||||||||||||||
Mobile Phase | |||||||||||||||||||||
A: | 0.1% Formic acid in water | ||||||||||||||||||||
B: | 0.1% Formic acid in acetonitrile | ||||||||||||||||||||
|
Detector | MS/MS |
---|---|
Ion Mode: | ESI+ |
Instrument | UHPLC |