LPGC-MSカラムを用いたアリルアミンの高速分析 スループット向上とヘリウム消費量削減のアプローチ
Featured Application: Arylamines on LPGC Rxi-35Sil MS
- 従来のGC-MSと比較して3.3倍も分析時間を短縮
- へリウム消費量を81%削減できたことで大幅なコスト削減を実現
- 接続済みのLPGCカラムキットは、キャリアガス漏れの心配がなく、簡単に取り付と大容量注入が可能
アゾ染料は、食品、化粧品、医薬品、繊維産業で一般的に使用されている合成着色料です。アゾ染料は様々な市販品に含まており、分解生成物として発がん性や変異原性のあるアリルアミンを生成することがあります。人の健康や暴露に対する懸念の高まりから、アリルアミンの分析には効率的な分析方法が必要とされています。分析は通常、一般的なGC-MS またはLC-MS で行われますが、分析時間が長いことにより、サンプルスループットが制限されてしまいます。
低圧GC-MS(LPGC-MS)は、アリルアミンを分析するラボに大幅なスピードアップをもたらす分析技術です。このアプローチは、MSの真空を利用して分析カラム内の圧力を下げることで、分析スピードが向上します。例えば、図1 に示すアリルアミン(22 種がEU のREACH 規則[1] で規制)の分析では、従来の分析方法より3.3 倍も分析時間が短縮され、ヘリウム使用量が81% 削減できたことで、大幅なコスト削減が実現しました。
LPGC-MS は、注入口圧力を維持するため分析カラムと細いリストリクタカラムを接続することで機能します。しかし、カラムの直径が異なるため、手作業で漏れがないよう接続をおこなうことが難しく、この技術を採用した事例は限られていました。
RestekのLPGCカラムキットは、工場で接続され、個別にリークチェックすることで、この問題を解決しました。GC-MSに高速分析 をもたらすLPGC-MSの詳細については、www.restek.com/lpgc をご覧ください。
参考文献
- Regulation (EC) No. 1907/2006 of the European Parliament and of the Council of 18 December 2006 Concerning the Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals (REACH). https://osha.europa.eu/en/legislation/directives/regulation-ec-no-1907-2006-of-the-european-parliament-and-of-the-council.
Figure 1: LPGC Rxi-35Sil MS におけるアリルアミンと従来のGC-MS 分析との比較(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)