Restek PLOTカラムラインナップ その特徴と独自技術
パフォーマンスの新基準!
- 粒子剥離を大幅削減する革新的な結合工程
- 安定した保持時間を実現する一貫性あるフロー
- 不純物分析の精度を向上させる優れたピーク対称性
PLOTカラムの無料メソッドシミュレーションPro EZGC Chromatogram Modeler |
Restek PLOTカラムの利点
- 粒子層の安定化で、堅牢性、保持時間、フローの再現性が向上
- 高効率で再現性の高い分析を実現(永久ガス、溶媒、炭化水素の分析に最適)
- 革新的な製造工程で粒子発生を低減し、PLOTカラムの性能が向上
- 直径7インチ・11ピンケージの巻きが標準(異なる場合は記載あり)
特に揮発性化合物の分析において、アプリケーションの課題解決にPLOT(Porous Layer Open Tubular)カラムは適任です。その理由は二つ…PLOTカラムは、①独自の選択性(揮発性化合物を室温で分離可能)と②固定相の吸着機構(永久ガスや軽質炭化水素を室温で分離可能)を持っているからです。また、カラム温度を室温以上に上昇させていけば、高沸点化合物を溶出させることも可能です。
従来型PLOTカラムの課題:安定性の低さ
他社従来型PLOTカラムでは、5~50 μmの粒子層が不安定なまま内壁に付着しており、使用中の剥離によって保持時間やフローが大きく乱れます。バルブやインジェクターの詰まり、GC検出器の電子ノイズなど、深刻な分析障害が頻発します。Figure 1に示すように、Press-Tightコネクタに粒子が蓄積し、詰まりを引き起こす現象は他社製品で一般的に見られる問題です。これを防ぐにはパーティクルトラップとの併用が必須です。
Figure 1: 従来型PLOTカラムから剥離した粒子による詰まり
Restek PLOTカラム:粒子剥離を削減する革新的な安定性
RestekはPLOTカラム技術において、業界をリードする革新的な安定化プロセスを確立しました。安定性の高い吸着層が形成されることで、粒子剥離は実質的に排除されています*。これにより、カラム寿命が延び、スパイクの発生もほぼ皆無になりました。Restek製PLOTカラムはすべて、同技術によって製造されており、再現性に優れた保持時間とスムーズなガスフローを一貫して保証します。操作性とクロマトグラフィー品質の両面で、他社製品との一線を画します。
*パーティクルトラップは引き続き推奨されますが、Restekカラムではその必要性が大幅に低減されています。
高いフロー再現性を保証する一貫性ある流量抵抗係数(F)
従来型(他社)カラムは、粒子層のコーティング厚にばらつきがあり、分析結果の再現性に深刻な影響を与えます。特にDeansスイッチングなどフローが重要なアプリケーションでは、信頼性の欠如が顕著です。Figure 2は、従来型カラムにおけるフロー不均一の典型例を示します。従来型PLOTカラムはWCOT(Wall Coated Open Tublar)カラムに比べてばらつきも大きく、同じサイズ、同じ圧力条件下であってもフローが4~6倍異なる場合があります。
Figure 2: フローの大きなばらつきの原因となる不均一なコーティング厚さ
流量抵抗と再現性の新指標:流量抵抗係数(F)
Restekは業界に先駆け、独自の品質管理指標「流量抵抗係数(F)」を導入しました。これはカラムの流量均一性と性能の安定性を可視化する新たな基準です。この係数は、コーティングありのカラムとコーティングなしのカラムにおける、同一背圧条件下で測定された、保持されないマーカー化合物の保持時間を使って計算されます(Equation 1)。品質管理を目的として、多孔性ポリマーカラムの評価にはメタンを、モレキュラーシーブ5Aカラムの評価にはヘリウムをマーカー化合物として使用します。
Figure 3では他社製PLOTカラムにおけるばらつきを、Figure 4ではRestek Rt-QS-BOND(結合多孔性ポリマー)PLOTカラムの圧倒的な一貫性を比較しています。この均質な性能は、流量変動が許されない分析現場での信頼性を約束します。流量抵抗係数は、すべてのRestek PLOTカラムに付属する分析証明書(CofA)に明記されており、一覧表は報告書で確認できます。
Figure 3: 従来型PLOTカラムはコーティング厚さに一貫性がなく、フローのばらつきが大きい
Equation 1: 流量抵抗係数(F)はコーティングの均一性を示す指標
注:F値は常に1未満です。コーティングありのカラムは、コーティングなしのカラムよりも必ず流量抵抗が大きいためです。
Figure 4: Restek PLOTカラムは流量抵抗係数に一貫性があり、カラム間での再現性が高い
Restek PLOTカラムの特長
Restek PLOTカラムは、その堅牢なコーティング層と高度な安定性によって、競合他社と明確に差別化されています。永久ガス、炭化水素、溶剤分析において、安定した保持時間と優れたピーク形状を提供します。まさに信頼と実績の象徴です。
PLOTカラム 固定相相互参照:類似選択性
Restek Rt and MXT カラム |
多孔質層 |
Supelco |
Alltech |
Agilent (J&W, Varian, Chrompack) |
Quadrex |
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酸化アルミニウム |
Alumina-Sulfate |
AT-Alumina |
GS-Alumina, CP-Al2O3/NA2SO4 |
— |
|
酸化アルミニウム |
Alumina-Chloride |
— |
GS-Alumina KCl, HP PLOT Al2O3, CP-Al2O3/KCl |
— |
|
酸化アルミニウム |
unique product | ||||
酸化アルミニウム |
— |
— |
Select Al2O3 MAPD |
— |
|
Molecular sieve 5A |
Molsieve 5A |
AT-Molesieve |
HP PLOT Molesieve, |
PLT-5A |
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100% ジビニルベンゼン |
Supel-Q-PLOT |
AT-Q |
HP PLOT Q ,CP-PoraPlot Q, PoraBond Q |
— |
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中極性多孔性ポリマー |
— |
— |
GS-Q |
— |
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DVBビニルピリジンポリマー |
— |
— |
CP-PoraPlot S |
— |
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DVBエチレングリコールジメタクリレートポリマー |
— |
— |
HP PLOT U, CP-PoraPlot U, CP-PoraBond U |
— |
*フューズドシリカチューブのみ対応
以下、各製品シリーズにおいても、Restek独自の革新的技術が一貫して活かされており、全てのPLOTカラムにおいて類を見ない性能と再現性を実現しています。
Rt-Alumina BOND カラム
Restek Rt-Alumina BONDカラムは、C1〜C5の炭化水素に対して卓越した選択性を発揮し、飽和・不飽和炭化水素のすべての異性体を室温以上で高精度に分離します。他社製品と比較しても、その安定性と性能の高さは群を抜いており、多くの分析現場で高い評価と信頼を獲得しています。KClやNa₂SO₄などの無機塩を用いた独自の不活性化処理により、アルミナ固定相の反応性を低減しました。これにより、ジエン類などの極性不飽和化合物に対しても高感度なレスポンスが得られ、直線性のある定量分析が可能となります。さらに、強固に結合されたアルミナ固定相は粒子の剥離を最小限に抑え、バルブ切替時の注入系や検出系への汚染リスクを著しく低減しています。信頼性の高い長期運用を支えます。
また、200°Cまでの高温環境でも安定性を保ち、水分の吸着による性能低下も最高温度でのコンディショニングによって完全に回復可能です。高いカラム容量とサンプル負荷に対応し、不純物分析におけるppmレベルの微量成分分析から揮発性炭化水素の百分率レベルの定量まで、常に優れたピーク対称性と再現性を提供します。
製造には高品質なフューズドシリカチューブを使用しており、必要に応じて金属製MXTチューブの選択も可能。長年の実績に裏打ちされたRestek Rt-Alumina BOND PLOTカラムは、厳しい分析ニーズにも応える理想的な選択肢です。
すべてのRt-Alumina BONDカラムは徹底的にテストされており、再現性のある保持時間と予測可能なフロー挙動が保証されています。炭化水素テストミックスで確認するのは、適切な固定相保持と選択性です。固定相保持の指標である保持係数kは1,3-ブタジエンを使用して算出します。一方、選択性はプロパジエンとメチルアセチレンの保持指数を用いて評価されます。trans-2-ブテンと1-ブテンの分離も検証され、効率評価には1,3-ブタジエンを使用してメートル当たりの理論段数を確認します。
Rt-Alumina BOND/Na₂SO₄カラム(フューズドシリカPLOT)
(Na₂SO₄による不活性化)
- ブタンの後にアセチレンとプロパジエンが溶出
- ブテン異性体(ブテン流中の不純物)の最適分離
- 1,3-ブタジエンの後にメチルアセチレンが溶出
- プロピレンのかなり前にシクロプロパン(プロピレン中の不純物)が溶出
- 200°Cまで安定
- 金属製MXTチューブも利用可能!
Rt-Alumina BOND (Na2SO4)カラムでの精製ガスの分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Rt-Alumina BOND/KClカラム(フューズドシリカPLOT)
(KClによる不活性化)
- Restekの最も低極性のアルミナカラム
- 水の影響を受けにくく、再生の頻度を削減
- n-ブタンの前にアセチレンが溶出
- 1,3-ブタジエンの前にメチルアセチレン(1,3-ブタジエン中の不純物)が溶出
- 200°Cまで安定
Rt-Alumina BOND/KCl, Rtx-1カラムでのASTM D6159-97規制によるエチレンおよびC1~C5炭化水素の分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Rt-Alumina BOND/CFCカラム(フューズドシリカPLOT)
- クロロフルオロカーボン(フロン)化合物(CFC)に対する不活性度が向上
- 選択性の高いアルミナベースカラムで、ほとんどのフロンを分離
- CFCに対する強い保持力と高い負荷容量
- 200℃まで安定
Alumina BOND/CFC吸着剤は、揮発性ハロゲン化合物、特にCFC(クロロフルオロカーボン)の保持に最適です。選択性が高く、広範囲のCFC異性体を常温以上で分離することができます。Rt-Alumina BOND/CFCカラムは、アルミナの反応性を低減させるために徹底的に不活性化されています。いくつかの単一または二重置換CFCに対してはまだ若干の残存反応性がありますが、これらの化合物の大部分はメインストリームのプロセスや不純物分析で正確に定量することができます。
Rt-Alumina BOND/CFCカラムでの1,1,1,2-テトラフルオロエタン (CFC-134a)の不純物分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Rt-Alumina BOND/MAPD カラム(フューズドシリカ PLOT)
- 最適化された不活性化により、アセチレン、メチルアセチレン、プロパジエンを微量濃度で分析する際に最大のレスポンスを獲得
- 安定したレスポンスファクターにより、再校正を最小限に抑えなければならないプロセスタイプのアプリケーションに最適
- 高いサンプル負荷量によりピークテーリングを低減し、分離を改善
- 250 °Cまでの温度範囲拡張により、高分子量(HMW)炭化水素の迅速な溶出と水への曝露後のカラム再生加速を実現
- 250 °Cまで安定
- 金属製MXTチューブも利用可能!
Restek の研究開発化学者は、Rt-Alumina BOND/MAPD カラムに適用される不活性化技術を最適化し、C1~C5 炭化水素濃度が高い炭化水素ストリーム中のアセチレン、メチルアセチレン、プロパジエンなどの極性炭化水素の微量レベルの分析を改善しました。RestekのAlumina PLOT不活性化により、優れた再現性と安定したレスポンスファクターを備えた不活性度の高いカラムが実現しました。また、再校正が必要となるまでの分析回数を最大化します。サンプル負荷量が高いため、ピークテーリングが減少し、ターゲット化合物の分離が向上します。さらに、最高使用温度が250℃であるため、ドデカンまでの炭化水素をより迅速に溶出させ、サンプルやキャリヤーガスからの水に曝露された後、カラムの再生にかかる時間を短縮します。
Rt-Alumina BOND/MAPDカラムでの1,3-ブタジエンの分析結果(不純物分析)(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
モレキュラーシーブ5A PLOTカラム
Restek モレキュラーシーブ5A PLOTカラムは、アルゴン/酸素および一酸化炭素を含むその他の永久ガスを効率的に分離するために設計されています。特別なコーティングと不活性化手順により、クロマトグラフィーの効率と多孔質層コーティングの完全性が保証されます。モレキュラーシーブは非常に高い保持を発揮し、常温以上の温度で永久ガスの分離が可能です。また、Restekの不活性化技術により、一酸化炭素をシャープなピークとして溶出させることできます。さらに、Restek独自の固定化プロセスにより、バルブの開閉が頻繁に行われた後でも均一な粒子がチューブに付着したままであることが保証されます。
Rt-Msieve 5Aカラム(フューズドシリカPLOT)
- アルゴン、酸素、一酸化炭素のシャープで対称的なピークにより精度が向上
- 常温以上で永久ガスの分離が容易
- Restek PLOTテクノロジーは粒子の脱落を低減し、フローの再現性を向上させ、メンテナンスのためのダウンタイムを短縮
- 300 °Cまで安定
- 金属製MXTチューブも利用可能!
Rt-Msieve 5Aカラムでのアルゴン/酸素およびその他の永久ガスの分離(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
多孔性ポリマーカラム
多孔性ポリマーは、非常に優れた保持を示すユニークな固定相です。極性および非極性化合物の両方を溶出可能なため、幅広いアプリケーションに対応します。また、疎水性が高いため、保持時間に対して水分は影響を与えず、むしろ優れたクロマトグラフィーピークとして良好に溶出されます。Q-BONDは、最も非極性で広く使用されている多孔性ポリマーカラムであり、機能基を添加して極性を高めたカラムもご用意しています(例:QS-、S-、およびU-BOND)。多孔性ポリマーPLOTカラムは、その製造工程で粒子をチューブ内壁に強く付着させているので、粒子がほとんど生成されません。これが選択性とフローの再現性が保証されたカラムである理由です。
Rt-Q-BONDカラム(フューズドシリカPLOT)
100%ジビニルベンゼン
- ジビニルベンゼン100%の非極性PLOTカラム
- C1~C3炭化水素や異性体およびC10までのアルカンの分析に最適
- CO2保持率が高く、ガス分析を簡素化(CO2とメタンをO2/N2/COから常温で分離可能)
(注:O2/N2/COは常温で分離しない) - 含酸素化合物や溶剤の分析に対応
- 最高使用温度300 °C
- 金属製MXTチューブも利用可能!
Rt-Q-BONDカラムでの溶媒混合物の分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Rt-QS-BOND カラム(フューズドシリカ PLOT)
多孔性ジビニルベンゼンホモポリマー
- 少量の4-ビニルピリジンを含有した中間極性多孔性ポリマー PLOT カラム
- エタン、エチレン、アセチレンをベースラインまで分離
- 250 °C まで安定
Rt-QS-BONDカラムでの精製ガス混合物の分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Rt-S-BOND カラム(フューズドシリカ PLOT)
多孔性ジビニルベンゼンホモポリマー
- 高含量の4-ビニルピリジンを含有した中極性多孔性ポリマーPLOTカラム
- 非極性および極性化合物の分析に対応
- 250°Cまで安定
Rt-S-BONDカラムでの溶媒混合物の分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Rt-U-BONDカラム(フューズドシリカPLOT)
ジビニルベンゼン・エチレングリコール/ジメチルアクリレート
- Restekの最も極性の高い多孔性ポリマーカラム
- ジビニルベンゼン・エチレングリコール/ジメチルアクリレートを組み込んだ極性PLOTカラム
- 極性および非極性化合物の分析に対し不活性度が高い
- 一般的なアプリケーション (炭化水素ストリーム中のH2S、COS、メルカプタンを含む)に対応
- 190 °Cまで安定
Rt-U-BONDカラムでのホルムアルデヒドの分析結果(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
高極性分析物に対する優れたピーク形状
金属製MXT PLOTカラム
金属製MXT PLOTカラムの利点は以下の通り:
- コイル径が小さく、狭いスペースに最適
- 取り扱いやすく衝撃に耐える丈夫な材質
- プロセスGCやフィールド装置で堅牢な性能を発揮するような設計
- コイル直径3.5インチまたは直径7インチ、11ピンケージで提供
Restekの化学者は、人気のあるPLOTカラムの多くをSiltek処理ステンレス鋼で製造する技術を開発しました。この金属製MXT PLOTカラムは、フューズドシリカPLOTカラムと同じ特性と性能を持ちながら、ほぼ壊れず、非常に小さな直径に巻くことができるため、プロセスGCやフィールドアプリケーションでその実力を発揮します。
MXT-Msieve 5A | MXT-Alumina BOND/MAPD | |
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MXT-Alumina BOND/Na2SO4 | MXT-Q-BOND | |
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MXT低デッドボリュームコネクターキット(金属製カラム用)
- ガードカラム/トランスファーラインをMXTステンレス鋼カラムに接続
- 低熱容量により、急速なオーブン昇温分析に対応
- ステンレススチール製フェラルとナットを採用
- Y字型およびユニオン型で利用可能
- Siltek処理により、究極の不活性を実現
各キットにはMXTユニオン、1/32インチのフェラル2個、ナットを含有