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Rtx-200 GCカラム

Rtx-200 GCカラムがもたらす中極性化合物の優れた保持と分離について

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【目次】

  1. 独自のポリマー組成が独自の選択性を実現
  2. MSに最適な高い熱安定性と低ブリード
  3. 幅広い用途
  4. CFCs
  5. クロロシラン
  6. 溶媒
  7. 食品サプリメント中の殺虫剤 GCxGC(二次カラム)
  8. 低圧GC-MSカラムを使って分析をスピードアップ
  9. Pro EZGCソフトウェアが分析を最適化

1. 独自のポリマー組成が独自の選択性を実現

RestekのRtx-200 GCカラムは、トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン固定相でコーティングされており、ケトン、アルデヒド、ニトロ含有化合物、ハロゲン含有化合物など、孤立電子対をもつ化合物に対して独自の選択性を示します。Rtx-200カラムの独自の極性は、非極性または極性カラムでは達成できない分離が達成できることが多く、幅広い分析に適しています。

加えて、Pro EZGCソフトウェアを使用してGC分離をモデル化すると、極性の異なる3つのカラム(無極性のRtx-1カラム、中極性のRxi-624Sil MSカラム、独自の選択的なRtx-200カラム)において、汎用的な溶媒で異なる保持挙動を示しました(Figure 1)。同一の分析条件下で、Rtx-200カラムはこれらの溶媒を完全に分離し、Rtx-1またはRxi-624Sil MSカラムと比較して異なる溶出挙動を示しました。

Figure 1: TRtx-200カラムの独自の極性により、無極性のRtx-1カラムや中極性のRtx-624Sil MSカラムと比べな汎用的な溶媒の分離に優れます。

Rtx-200

Rtx-200 column polarity

Rtx-1

Rtx-1 column polarity

Rtx-624Sil MS

Rtx-624Sil MS column polarity

Peaks

  1. Chloromethane
  2. Methanol
  3. Bromomethane
  4. Methylene Chloride
  5. tert-Butyl Alcohol
  6. Chloroform
  7. Benzene
  8. 1,2-Dichloroethane
  9. Dibromomethane
  10. Fluorobenzene
  11. 2-Chloroethanol
  12. Toluene
  13. Tetrachloroethene
  14. Ethylbenzene
  15. Chlorobenzene
  16. o-Xylene
  17. Styrene
  18. n-Propylbenzene
  19. Naphthalene

Conditions

Column: 30 m, 0.32 mm ID, 1.0 µm
Carrier Gas: Helium, Constant Flow @ 2.0 mL/min
Average Velocity: 40.88 cm/sec
Outlet Pressure (abs): 14.70 psi
Oven Temp.: 35 °C (hold 1 min) to 235 °C @ 30 °C/min

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2. MSに最適な高い熱安定性と低いブリード

安定したカラム構造を持つRtx-200は、低ブリードで360°Cまでの熱安定性を実現しています。高い熱安定性を誇るRtx-200の液相は、高感度な検出器や高温を要する分析の両方に適しています。

なお、さらに低いブリードを必要とするアプリケーションに対して、Rtx-200MS カラムのブリード仕様は Rtx-200 よりも低いため、高感度な質量分析装置を使用するラボに最適です。

Figure 2: Rtx-200カラムの優れた熱安定性が、高温下において低ブリードを実現します(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_GN1228

 

Figure 3: Rtx-200カラムはシロキサンのような高分子量化合物であっても、360°Cで低いブリードを示します(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_CH00360

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3. 幅広い用途

Rtx-200カラムはさまざまな寸法(長さ、内径、膜厚)で利用可能であり、溶媒からシラン、農薬まで幅広いアプリケーションに使用できます。その中立性と不活性から、Rtx-200カラムは中性で不活性であるため、酸性、塩基性、または中性の化合物の分析に活用が可能です。また、その独特の極性により、他の多くの固定相と比較して異なる溶出パターンが生じるため、多くの分析にとって理想的な確認カラムとなります。

 

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4. CFCs

Rtx-200 は、PLOTカラムと異なりパーティクルトラップが不要でクロロフルオロカーボン(CFC)のクライオフォーカスを必要とせずに GC-MS で分析できるため最適なカラムと言えます。この固定相の独自の選択性は、一般的に見られるハロゲン化化合物の最良の保持と分離を示します(Figure 4)。

Figure 4: Rtx-200カラムはクロロフルオロカーボン(CFC)の優れた保持と分離を示します(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_PC1383

 

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5. クロロシラン

クロロシランは揮発性で反応性のある化合物であり、シリル化剤やシリコーン合成の中間体として使用されます。その高い反応性のため、これらの化合物はGCによる分析が困難です。しかし、60 m、0.53 mm 内径、3.0 µmのRtx-200カラムを用いると、広範囲のクロロシラン化合物の分析が可能となります (Figure 5)。

Figure 5: 反応性のあるクロロシランを60 mのRtx-200カラムを用いて分析したもの(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_CH00362

 

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6. 溶媒

溶媒の純度を試験したり、製造プロセスからの溶媒を分析するには、さまざまな産業用溶媒を迅速かつ正確に解決するカラムが必要です。Rtx-200カラムは一般的な産業用溶媒における、幅広い分析に最適です(Figure 6)。

Figure 6: tx-200カラムは幅広い溶媒を迅速かつ正確に分析できます(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_CH00339

 

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7. 食品サプリメント中の殺虫剤 GCxGC(二次カラム)    

x軸とy軸に沿った広範囲の分布が示すように、Rxi-5SilとRtx-200カラムを使用したGCxGC分析では、2,4'-DDTや4,4'-DDDなどの同重体の化合物を簡単に分離して定量することができます(Figure 7)。

Figure 7: Rxi-5Sil MSとRtx-200カラムの極性が異なるカラムセットを使用した農薬類の優れた二次元分離。Rxi-5Sil MS上で同重体である2,4’-DDTと4,4’-DDDの2次元分離に注目してください(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_FF1188

 

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8. 低圧GC-MSカラムキットを使って分析をスピードアップ

Restekの低圧GC(LPGC)Rtx-200カラムキットは、ヘリウムの使用量を節約しながら大幅なスピードアップを可能にします。LPGC Rtx-200を用いた4種類の一般的なフルオロテロマーアルコールの迅速な分析では、4分未満ですべての化合物の分離が達成されました(Figure 8)。LPGCメソッドは従来のGC-MSメソッドに比べると1.9倍速く、ヘリウムの使用量は60%少ないです。

Figure 8: LPGC Rtx-200を用いたFTOHの分析では、すべてのアイソバーの優れた分離を達成しながら、大幅なスピードアップが実現されました(分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)

cgarm-img
GC_EV1518

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9. Pro EZGCソフトウェアが簡単に分析を最適化

Rtx-200カラムはPro EZGCクロマトグラムモデラーによってサポートされているため、簡単に分析を最適化することができます。この無料ソフトウェアは、たった数分でGCメソッドの最適化とメソッド開発を行うのに役立ちます。実際のGC装置を使用する必要はありません。

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Figure 9: Rtx-200カラムはPro EZGCクロマトグラムモデラーによってサポートされているため、簡単に分析を最適化することができます。

Rtx-200 GC columns are supported by Restek’s Pro EZGC chromatogram modeler

GNSS4041A-JP