Low-Pressure GC-MS: LPGC Rtx-5msカラムキットによる食品中残留農薬の高速分析
Featured Application: LPGC-MS Multiresidue Pesticides Analysis
- ヘリウム消費量最大76%削減、分析スピードを3.3倍高速化:従来法と比較して圧倒的な生産性を実現
- 誰でも簡単カラム交換:LPGC-MSの高速化を簡単に実現可能
- リークフリーを保証:Restek工場でプレアッセンブルされたキットにより、高い信頼性を確保
食品分析や食の安全性試験において、残留農薬分析は欠かせないプロセスです。膨大な数のサンプルを迅速かつ正確に処理するために、GC-MSやGC-MS/MSメソッドの高速化が求められています。しかし、従来のアプローチには、高価な装置、ナローボアカラムによる注入量の制限、水素キャリアガスに対する懸念などの課題がありました。
Low Pressure GC-MS(LPGC-MS)は、これらの欠点を克服し、分析速度を大幅に向上させる極めて有効な選択肢です。Restekは、誰でも簡単にセットアップできるLPGC Rtx-5msカラムキット(cat.# 11800または11802)を開発しました。このキットは、工場で接続したのちに出荷するため、セットアップが誰でも簡単に行うことができるようになりました。
この接続済みキットを使用することで、ヘリウム消費量の大幅な削減と分析速度の向上が可能です。新しいカラムサイズに応じたオーブンの昇温プログラムや流量の調整だけで、LPGC-MSの効果を最大限に引き出すことができます。いずれのRtx-5msキットでも、分析速度が3倍に向上します。
Figure 1に示されているように、LPGC-MSを使用したイチゴ中の209種類の残留農薬分析では、すべての成分が迅速に溶出し、最終溶出成分であるデルタメトリンはわずか8.33分で検出できます。これは従来の30 m、内径0.25 mm、0.25 µmのGC-MSを使用した場合の約3分の1の速さです。
LPGC Rtx-5msキットには、用途に応じて2つのタイプからご選択いただけます。cat.# 11800はトランスファラインが接続されており、バックグラウンドの安定化が速く、高流量に対応可能です。ヘリウム使用量をさらに削減するために、低流量を希望する場合は、cat.# 11802が最適です。Figure 2に示されているように、LPGCキット(cat.# 11800)は従来法と比較してヘリウム使用量が54%削減され、cat.# 11802では76%の削減が実現できます。
このように、LPGC-MSによる残留農薬分析の高速化は、サンプルスループットの向上を目指す多忙な食品分析を実施するラボにとって、非常に効果的な方法です。従来は難しかったセットアップも、RestekのLow-Pressure GCカラムキットを使用することで、容易に実現可能になりました。LPGC技術についてさらに詳しく知りたい場合はwww.restek.com/lpgcをご覧ください。
Figure 1: LPGC Rtx-5ms (15m x 0.53 mm ID, cat.# 11800)を用いたイチゴ中の農薬の高速分析(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)
Figure 2: LPGC Rtx-5ms (10m x 0.32 mm ID, cat.# 11802) を用いたQuEChERS Performance Standardの高速分析(ピークリストと分析条件を含む完全版はPDFでダウンロード可)