加熱脱着チューブ vs キャニスタ あなたのサンプリングにはどちらが最適?
はじめに
この記事では、どのVOCサンプリング技術があなたの分析にとって最適か?について説明しています。
加熱脱着チューブは、VOCサンプリング用のキャニスタに対する補完的なオプションです。熱脱着チューブとキャニスターにはそれぞれ利点と欠点があります。どちらの装置が、あなたがこれから行おうとしている分析のサンプリング環境や分析能力に適合しているか、まず評価する必要があるでしょう。以下に加熱脱着チューブとキャニスタの類似点と相違点を示しました。どちらの装置を使うかを決める際に便利な比較表をぜひご活用下さい!
加熱脱着チューブとキャニスタの類似点について
- 再利用可能なサンプリングデバイスであること
- 製品寿命が長いこと
- 長期間にわたってサンプルの安定性を確保できること
- サンプリングに先立って必要なブランクサンプルを使用した分析の信頼性確認を行うこと
- GC/MS分析前に必要なサンプルの濃縮を行うこと
- GC注入前に湿気を取り除くために役立つドライパージを行うこと
- pptレベルの感度があること
- 分析法に採用されていること
- 単一の装置で広範囲のVOCの収集が可能なこと
- 未知の物質のスクリーニングに役立つこと
- サンプルを完全な状態で保存し,清浄なデバイスの汚染を防ぐためには、密閉性が重要であること
加熱脱着チューブとキャニスタの相違点について
加熱脱着チューブ | キャニスタ | |
メソッド | US EPA TO-17 ASTM D6196 ISO 16017, ISO 16000-6 NIOSH 2549 |
US EPA TO-14, TO-15 ASTM D5466 OSHA PV2120 NIOSH Protocol Draft |
世界規模の受容度 | 米国環境大気市場の至適基準 | |
アプリケーション | 環境大気、室内空気、産業衛生 材料からの排出成分 食品および香料 化学兵器 |
環境大気、室内空気、揮発性物質の侵入、緊急対応 |
C3 から C30 | C4 から C10 まで | |
ハンドリング | 個人モニタリングや一般的な使いやすさのために軽量 | 大きくて重い;発送にコストがかかる |
サンプリング | サンプリングポンプを使用したアクティブサンプリング、または各化合物の拡散係数が決まっている場合は、ポンプを使用しないパッシブサンプリングが可能 | サンプリングポンプなしでパッシブサンプリングが可能。バッテリーの充電なしで長期間のサンプリングが可能 |
インテグレートサンプリングのみ | グランブサンプリングおよびインテグレートサンプリング | |
濃縮サンプル | 大気全体 | |
分析手法で推奨される適切な吸着剤の選択が必要 | 該当事項なし | |
サンプル損失や吸着剤への不可逆的な吸着を防ぐために、吸着剤のブレークスルー容量以下でサンプリングする必要がある | 該当事項なし | |
100Lまでの大きなサンプル容量 | サンプル容量はキャニスターサイズに依存し、最大15L | |
分析 | チューブサイズは装置ごとに異なる | すべてのメーカーのサンプル濃縮器と互換性あり |
注入は1回、装置によってはそれ以上の注入も可能 | サンプル注入は複数回可能 | |
濃度範囲 ppt から ppm | ppt から ppm | |
一部の吸着材を使用すると、意図しない変化や生成物が生じる | 適切にクリーニングされた場合、分析の信頼性は高い | |
保管 | マルチベッドチューブの場合、4℃でのサンプル保管を推奨(化合物がより保持性の高い吸着剤に移動し、回収が困難になる可能性を防ぐため) | 室温で可 |
クリーニング |
再利用のために分析プロセスにおいてチューブを自動的にクリーニング、分析と同時のクリーニング、1つの熱脱着ユニットに組み込まれたコンディショニング/クリーニングと分析 |
キャニスターのクリーニングには、バックグラウンドの確認とサンプリングに先立つ追加のステップとして別個の装置が必要 |
コスト | 各 $50-130 | 各 $200-700 |