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[1] クロマトグラムからわかること ピーク形状: アルミナの反応性 

28 Apr 2013

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クロマトグラムは指紋のようなものです。クロマトグラムを”読む”ことができれば、その原因を推測することができます。 このシリーズでは、ユーザーの皆様からいただいた GC のクロマトグラムを示し、そこに現れている現象の潜在的な原因について説明しましょう。そして解決策を考えてみましょう。

Fig.1  Reaction platforms fot 1,2 butadiene observed on active alumina if analyzed at 150C
図.1 活性のあるアルミナを用いて 150℃で分析した場合に見られる 1,2-ブタジエンの「反応現象によるクロマトグラムのトラブル(以降「反応現象」と記載します)」

ピーク形状が図 1 のようになってしまいました。この分析は、アルミナ PLOT カラムを用いた 150℃の恒温条件での 1,2-ブタジエンの分析です。A と B と2つの「反応現象」があるのがわかります。1,2-ブタジエンはカラム内を移動しながら、より保持力の強い2つの成分に変換されます。カラムに使用されているアルミナは、非常に活性のある材質で、成分によっては分解または反応することがあります。

より保持の弱い成分が生じる場合、「反応現象」は主成分の前に形成されます。 例えば、臭素系難燃剤の場合はこちらをご参照ください。

Decomposition in the column? The Peak shape will tell! (日本語訳あり)

このような「反応現象」 が見られた場合、この現象が起きにくい条件を探す必要があります。その化合物はより低い温度で溶出させるべきです。これは次のような方法でおこなうことができます。

Fig. 2  analysis of 1,2 butadiene at 110C. Due to lower temperature, recativity is greatly reduced図. 2 110℃での 1,2-ブタジエンの分析。温度が低いため、反応性が大幅に低下しています。

より低い温度で分析:分析時間は長くなりますが、110℃でもピークは溶出してきます(図 2 を参照)。

流量を上げて分析: これも簡単に試すことができます。流量を 4 倍にすると、溶出温度を 30℃下げることができます。ただし、これは必ず適用できるわけではありません(例えば、MS を使用している場合)。

可能な限り膜厚/相の薄いものを使用:多くの液相で可能な方法です。アルミナを使用している今回のケースでは、 市販されているものよりも固定相の薄いものは存在しません。

より不活性なアルミナカラムを使用: 多くの場合、反応性はアルミナマトリックス中の不純物によって引き起こされます。 CFC 分析に良好な挙動を示すアルミナがあるように、使用されるアルミナによって差異が認められます。

New alumina-based PLOT column for high resolution separation of CFC / Refrigerants (日本語訳あり)