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キャピラリーGCカラムキラー(カラムを劣化させる原因) – Part 2(日本語)

16 Mar 2016

連載2回目のキャピラリーGCカラムキラーは、誘導体化試薬についてです。 連載 1回目をまだ読んでない方は、適切なサンプルのpH範囲についてですので、ぜひお読みください。

 誘導体化試薬

ガスクロマトグラフィーにおいて、誘導体化試薬は、特定の官能基を別の官能基に置き換えることで不揮発性の化合物を揮発性の化合物に変換するためによく用いられます。その他、化合物の熱安定性を高めたり、検出感度を上げるためにも用いられます。

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ただし、サンプル中の過剰な誘導体化試薬はカラム固定相に修復不可能なダメージを与える恐れがあります。そのため、多くの場合は余分な試薬を除去するために誘導体化サンプルを乾固する必要があります。その後、サンプル残留物にきれいな溶媒を加えて希釈し、分析をおこないます。

最も大きいダメージを与える誘導体化試薬のいくつかに、トリフルオロ無水酢酸(TFAA)やペンタフルオロ無水プロピオン酸(PFPA)、およびヘプタフルオロ無水酪酸(HFBA)があります。 これらの試薬は酸性の副産物を生成し、カラムの固定相にダメージを与えます。

シリル化試薬であるトリフルオロ酢酸(TFA)とジメチルジクロロシラン(DMDCS)は、ポリエチレングリコール(Carbowax)固定相に特にダメージを与えますが、ポリシロキサン固定相に対してはあまり大きなダメージは与えません。 多くのシリル化試薬と同様に、TMS誘導体化試薬は、活性水素原子と反応します。したがって、これらの試薬を使用したサンプルの分析では、ポリエチレングリコール(Carbowax)固定相のカラムは使用しないことをお勧めします。

ほとんどの誘導体化試薬はカラムを劣化させると考えるべきですが、アシル化試薬であるN-メチルビストリフルオロアセタミド(MBTFA)とパーフルオロアシリミダゾール(trifluoroacetylimidazole-TFAI、pentafluoropropanylimidazole-PFPI、heptafluorobutyrylimidazole-HFBI)は、キャピラリーカラム固定相にあまりダメージを与えないという例外があります。ただし、カラムにダメ―ジを与えなくても、注入口の汚染やゴーストピークの原因となる可能性はあります。

誘導体化試薬の使用において、どの試薬が安全でどの試薬がカラムに劣化をもたらすのかに関する完全なリストはありません。誘導体化試薬で処理したサンプルを分析する場合には、注意が必要です。カラムに影響を与えている場合には、別の誘導体化試薬を試してみてください。