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Restek Premium 2.0 mmシングルテーパーライナー(ウール入り)を使用したマルチモード注入口(MMI)によるLVI-SV

23 Apr 2015

The original English version blog was posted on April 24th, 2015 by Linx Waclaski.

アジレント社のマルチモード注入口(MMI)は標準的なスプリット/スプリットレス注入口用ライナーを利用できるうえに、大容量注入用のPTV(昇温気化注入口)タイプの注入口として使用できます。この手法には、適切なライナー選択を始めとする多くのパラメータの最適化が必要となります。ここでは、Restek Premium 2.0 mmシングルテーパーライナーのウール入りを使用した例を紹介します。

溶媒ベントで大容量注入(LVI-SV)をおこなう場合、サンプルを低温で注入しながら大部分の溶媒を気化させてた後に、ベントを閉じて急速に注入口温度を上げて分析種をカラムへと移動させます。溶媒ベントをおこなうためには、サンプルを留めておけるプラットフォームがあり、それが溶媒の排出が起こるステージエリアとしても機能する必要があります。ウールは、それ自体が大きくて比較的均一な表面積を有し、溶媒を気化させるための大量の熱エネルギーを抱えることができるので、LVI-SVに適したプラットフォームとなります。サンプルが入ってくるとウールは基本的にはサンプルを捕捉し(ベントからの排出を防ぎ)、目的化合物を留めながら溶媒を気化することを可能にします。溶媒のベントは大容量の液体注入を可能にし、検出限界を下げたり、少ないサンプル量で始められることで溶媒の削減や最終抽出物の濃縮が不要になり前処理の手間が省けたりする可能性があります。

一例ですが、RestekのPremium 2.0 mmシングルテーパーライナーのウール入りを使って、Restek QuEChERS性能評価ミックスを試料として溶媒ベントモードのMMIで分析をおこないました。混合試薬はアセトニトリルで希釈しました。アセトニトリルはその極性と膨張率が高いため厄介な溶媒です。しかし、溶媒をベントすることで分析種がカラムへ移動する前に大部分の溶媒を除去できるため、フォーカシングがうまくおこなわれ溶媒がライナーの負荷を超えても問題は生じません。

MMI_Cgram1

MMI_Cgram2

MMI_Cgram3

MMI_Parameters

注入口初期温度は溶媒の沸点よりも低くしてください。ここではアセトニトリルの沸点(~82℃)に近い80℃を設定しましたが、ウールがある注入口底部は実際にはもっと温度が低いためこの温度でもうまくいきました。初期温度を設定したら、溶媒の除去速度に合わせて注入速度とベント時間を最適化する必要があります。どのような条件から始めるかは、アジレント社のソフトウェア上にある溶媒排出計算機(Solvent Elimination Calculator)を使用することをお勧めします。ここから目的の結果が得られるまでのパラメータを調整していきます。ベント時間が長すぎると目的化合物を失ってしまいますが、ベント時間が短いとカラムへ入る溶媒が多くなりフォーカシングや溶媒ピークのテーリングといった問題が生じます。

ベント圧はベントされる溶媒量とカラムへ入る溶媒量の両方へ影響を与える設定値です。ベント圧を高くするとカラムへ入る溶媒量が増えます。ベント流量は排出速度に影響し、流量が高いほど排出は速くなります。注入口の昇温速度は基本的には速い速度にしてください。昇温が始まることで生じる注入口の活性点と分析種との間の負の相互作用の時間を短縮できます。

オーブン初期温度をアセトニトリルの沸点よりも十分低くすることで、カラム入口でのフォーカシングを確実なものにしました。

注意点として、ウールはこの注入プロセスにおいて溶媒のベントと目的化合物を留めるのに効率的で一貫したプラットフォームを作ってくれますが、特定の化合物に対する活性点のリスクが常に存在します。QuEChERSミックスでもジコホールがDCBPに分解するという問題がありました。これはウールとの相互作用によるものかもしれません。また、ジクロフルアニド、キャプタンおよびフォルペットのレスポンスが連続分析により低下していくのも気づきました。後者の問題は、ウールなしのライナーでも生じることがわかり、アセトニトリルがこれらの塩基に敏感な農薬と不活性処理との相互作用に悪影響を及ぼしているのではないかと考えています。どなたかこの問題を解決した人がいたら教えて欲しいです。酢酸やギ酸を添加するとまた違いが生じるかもしれません。

皆さまの溶媒ベントのご経験とそれがうまく機能したかどうかも教えていただければ幸いです。