Restek
Resource Hub / ChromaBLOGraphy / More Technical Service “Red Flags” - LC

LC分析における注意事項

28 Oct 2015

red flag

このブログは、LC分析における注意事項としては、2個目の投稿になります。GC分析における注意事項のブログと同じように、テクニカルサービスに寄せられる問合せから、LC分析における注意点について書いてみます。

 保持が弱い:

ボイドボリューム付近に溶出する全てのピークの保持が劇的に弱くなっているとのお問合せ。

この種のお問合わせでは、2つ目のトラブルとしてピークが非対称だという場合がありますが、大抵の場合、見分けることが全くできないため気が付かないことがほとんどです。これは通常、相崩壊という現象が原因です。Restekのテクニカルノートにある例を見てみましょう。

 

phase collapse

相崩壊もしくは寝込み、ディウェッティングとも呼ばれる現象は、カラムに水の比率が非常に高い移動相を使用した場合に生じます。従来のC18カラムは、95%以上の水移動相での使用は意図されていませんでした。移動相の極性が非常に高いため、無極性のオクタデシル基によって移動相は押し戻され、官能基の間に入っていくことができないという現象が起きます。水移動相は最初は粒子のポア内に満たされますが、圧力が下がったり、ポンプが停止するとすぐにポア内の水は押し出されます。この時に、官能基が寝込んだり、粒子表面上で平らになったりします。通常、ポンプを再稼働させたり、次のサンプルを注入した後、保持のトラブルが認識されます。

この場合、カラムをフラッシュすることで固定相を再度湿潤させることができます。最初に塩や添加剤を含まない移動相で数カラムボリューム分フラッシュし、塩を除去します。続いて100%有機溶媒(できればアセトニトリル)でフラッシュします。その後、ご使用の移動相に戻し、水が95%以上の移動相は使用しないようにしてください。水の比率が高い移動相を使用する必要があるアプリケーションの場合は、Ultra Aqueous C18、Pinnacle DB Aqueous C18もしくはAllure Organic Acidsカラムまたは、Ultra IBDやPinnacle DB IBDカラムをご使用ください。

目視可能な白い残留物:

カラム出口に白い残留物や粒子があるというお問合せ。

この残留物が注入したサンプル由来ではない場合、カラムから充填剤が出てきている可能性があります。直ちにポンプを停止し、カラム出口をラインから外して微粒子が下流側を詰まらせないようにする必要があります。いずれ圧力異常が生じる原因になります。充填剤がカラムから溶出して流路に詰まりが生じた場合、圧力は上昇します。圧力が上がらなかった場合、もしくは上がる前に、圧力の低下やピーク形状の異常、化合物の保持が弱くなるといった現象が出る可能性があります。

充填剤の漏れが認められた場合、まず確認すべきことは移動相のpHです。pHメーターを使用している場合は、適切に校正されているかも確認してください。pH  が8.0よりも高い場合、シリカが溶融し、十分に小さな粒子になった時点でカラムのフリットから溶出してきます。pH  に問題がない場合は、カラムの流量方向が適切に取付けられているかを確認してください。Restekのカラムの中には、流量方向は一方向のみのものもあり、例えクリーニング目的でも逆流させることはできません。これには、Pinnacle DB UHPLC (1.9µm) とRaptorカラムが該当します。カラムの流量方向を示す矢印を確認してください。充填剤の漏れは、カラムのエンドフィッティングに変更を加えた場合にも発生します。このため、お客様によるカラムの分解はお勧めしません。カラムが正しく組み立てられていなかったり、フリットが外れたりした場合、リークが生じる可能性があります。充填剤がカラムから漏れた場合は、カラムは交換する必要があります。

ガードカラムからではなく、分離カラムからこのような物質が流出してきている場合、直ちにポンプを停止し、分離カラムを取外して被害を最小限にとどめてください。新しいガードカートリッジを取付ける前に、配管やフィッティングなどは全てきれいに洗い流してください。

ピークが全く出ない:

ピークが検出されないとのお問い合わせ。

ラボの分析担当の方からこのようなお問い合わせを受ける場合があります。トラブルシューティングのヒントについては、以前に投稿したブログ Troubleshooting HPLC-Loss in Response for All Analytesをご参照ください。以前のブロブの内容と似てはいますが、ベースラインに全く変動が見られない場合、次のような可能性があります。

  • 検出器がオフになっている、もしくはランプがオフになっている。
  • 検出器の波長が間違っている、もしくはAttenuationの設定が外れている。
  • 移動相のポンプが正常に稼働していない。流量が低すぎるか、全く流れていない。
  • サンプルが吸引されていない、もしくはサンプル注入バルブが動作していない。
  • 配管が正しく接続されていない、もしくはシステムのどこかに大きなリークがある。
  • サンプル/標準液が正しくセットされていない。

上記の可能性が該当しておらず、カラムに問題があると考えられる場合は、別のHPLCでそのカラムを使用してみるか、装置はそのままでカラムを変えてみてください。カラムの状態が悪くても、通常サンプル注入前後では少なくとも溶媒ピークもしくはベースラインの変動が生じます。カラムやHPLCを変えることで、状況の見方が変わることもあります。

一つ一つステップを踏んでいくことで、トラブルの根本的な原因を知ることができます。サポートがが必要な場合は、テクニカルサポートへお問合せください。

このブログがお役に立てれば幸いです。お読みいただき、ありがとうございます。

The original blog was published on Oct 29,2015 in English.