GCカラム取付け用フェラルの選び方 Part 1: アジレントGC用
20 Nov 2014カラムをGCに取付ける準備ができました。でもフェラルがありません。さて、どのフェラルを使いましょうか?正しいフェラルを選択するために考えるべきことは、装置メーカーと機種、ナットのサイズとタイプ、フェラルの材質そしてカラム内径です。Restekのフェラルのホームページには、Restekで販売している様々なフェラルの概要が紹介されています。パラメータを絞ってページを移動すると、選択範囲を狭めることができます。これはこのシリーズの最初のブログになります。フェラルの選択に少しでもお役にたてればと思います。アジレントの装置には選択肢が多いので、アジレントの装置から始めましょう。
キャピラリーカラム用フェラル
ここでは、GCはすでに1/16インチのフィッティングでキャピラリーカラムを取付ける設定になっていると仮定します。Restekでは、アジレント GCへのキャピラリーカラム取付け用のナットとフェラルに2つのオプションを提供しています。フェラルには、コンパクトフェラルと標準フェラルの2種類があり、それぞれに適したナットが必要です。コンパクトフェラルとナットがアジレントスタイルと見なされています。コンパクトフェラルの幅広のテーパーは、注入口シールの底面のテーパーと一致するように設計されています。標準フェラルとナットもアジレント GCでは有効に使用できます。
標準フェラルとコンパクトフェラルの見た目の違いは次のとおりです:
標準フェラル | コンパクトフェラル |
---|---|
Graphite | Graphite |
Vespel/Graphite | Vespel/Graphite |
フェラルの種類に対応したキャピラリーカラムナットの品番はこちらをご覧ください:
手締めカラムナット | カラムナット | ホットスワップカラムナット | ループ付き手締めカラムナット | ||
真鍮 | ステンレス | ||||
標準フェラル | 21041 | 21879 | 20883 | 22347 | 21312 |
コンパクトフェラル | 21040 | 21878 | 21884 | 22348 | 21311 |
これは一般的なキャピラリーナットの断面図です。フェラルの長さとナットの穴の深さがわかります。こちらをご覧いただくと、フェラルに適したナットの使用が必要であることがおわかりいただけると思います。そうでないと、適切なシールができません。どのナットを使用しているのかが不明な場合は、六角ナット部分にノッチ(切れ込み)があるかどうかをご確認ください。アジレントスタイルのナットはノッチがありますが、標準ナットにはありません。
"コンパクト" Agilentスタイルフェラルとナット | 標準フェラルとナット |
ナットタイプを正しいフェラルの種類に合わせたら、今度はキャピラリーカラムの内径にフェラル内径を合わせる必要があります。下記のサイズ表に、フューズドシリカとMXTキャピラリーカラムに合わせたフェラル内径を示します。
正しいフェラルを決めるための次のステップは材質です。以下の表に材質ごとの違いが記されています。注入口やほとんどの検出器に取付けるには、グラファイトか柔らかめの60/40べスペルグラファイトのいずれでも問題ありません。GC/MSの場合、MSDのイオン源ナットには標準のべスペル/グラファイトのロングフェラルがおすすめです。この材質はMSに適しています。フラグメントの生成がなく、真空下のシステムへ酸素の侵入を防ぐからです。
アジレントは、100%べスペルフェラルは恒温分析にのみ使用することを推奨しています。
MSDイオン源ナット
アジレントTCDに関する注意点としては、TCDは1/8インチのフィッティングポートであるということがあげられます。Restekのアジレントスタイルもしくは標準タイプのナットとフェラルを使用するためには、アジレントが提供しているアダプタが必要です。このアダプタはRestekでは取り扱っておりません。あるいは、アジレントは1/8インチナットでキャピラリーカラムを取付けるためのツーピースフェラルの販売をしています。Restekではこのツーピースフェラルの取扱いはありませんし、ワンピースタイプのレデューシングフェラルのご使用はおすすめしません。e.
パックドカラム用フェラル
一般的なアジレントのパックドカラム注入口は、1/4インチ外径のパックドカラムに対応しています。注入口と検出器のフィッティングサイズを確認してください。アジレントのGCでは通常、標準タイプのナットとフェラルを使用します。 外径 3/16もしくは1/8インチカラムを取付けてオンカラム注入をおこなう場合、カラムを1/4インチ用の注入口の真ん中に配置させるために注入口アダプタが必要です。ご使用の装置にガラスインサートが入るタイプのアダプタが取付けられている場合、オンカラム注入の必要はなく、カラムの取付けに必要なのはナットとフェラルだけです。繰返しになりますが、必要なフェラルとナットのサイズを確認してください。パックドカラムをキャピラリーカラム注入口や検出器に取付ける場合は、レデューシングユニオンとガードカラムのチューブを使用するpig-tailセットアップをお勧めします。
Notesアジレントの検出器に関する注意点としては、カラム接続に必要なフィッティングのサイズを確認するということがあげられます。例えば、アジレントのTCDは1/8インチナットが必要です。3/16インチのパックドカラムを取付ける場合は、検出器が1/4インチパックドカラム対応になっていることを確認し、レデューシング標準フェラルと1/4インチナットをご使用ください。
パックドカラム注入口アダプタ
まとめると、押さえておくべき重要なポイントは次のとおりです。
- ナットに合ったフェラルを使用する
- カラム内径に合ったフェラルサイズを知っておく
- 装置にあったフェラル材質をおさえておく
- パックドカラムの場合は、注入口と検出器のフィッティングサイズを確認する
その他のメーカーのナットとフェラルについても投稿していきます。お読みいただき、ありがとうございます。
I would like to thank my Colleague, Erin Herrold for her assistance and insight with this blog post.