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Biphenyl はLCカラムの第一選択肢になり得るのでしょうか?

23 Nov 2016

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38年近くにわたりGCの化学者である私は、なぜLCの分離はC18なのかいつも疑問に思っていました。 C18は極めて良好な非極性固定相であり、極性移動相が非極性固定相と共に使用される逆相クロマトグラフィーの基本です。しかし、非常に多くのC18の固定相がある中で、どのようにして目的にあったC18を選ぶのでしょうか?極性化合物を分離することもあります。LCの大きな利点の一つは、GCのように誘導体化をせずに極性の高い化合物を分析できることです。このような化合物に対し、なぜC18を選択するのでしょうか?

クロマトグラフィーの基本的なルールは、目的化合物と相互作用のある固定相を選択することです。例えば、GCでの炭化水素の分離には、Rtx-1のようなポリジメチルシロキサンが使用されます。アルコールやグリコールには、Rtx-Waxのようなポリエチレングリコールが使用されます。さらに光学異性体の場合には、異性体の一つのタイプに対して特異的親和性を示すようなキラル固定相が使用されます。

LCでは、多環構造、置換基を有する環構造や小さな極性化合物がよく分析されています。これらの化合物は分散力によってC18と相互作用しますが、水素結合や陽イオン交換によってシリカ基材と相互作用をおこすこともあります。このような相互作用は、「シラノール」相互作用とも呼ばれ、好ましくないと考えられることもあります。実際、多くの分離においてシラノール相互作用は分析対象化合物の保持に有意に寄与します。つまり、シラノールは保持を生み出すという点では有益であると同時に、シラノールが制御されていない、もしくはシリカ表面が均一でない場合には障害をもたらすことを意味します。シリカ基材の違いは、全てのC18が同じではない主な理由の一つでもあります。

そこで私の頭に浮かんだ問題は、逆相モードにおける極性化合物の付加的な保持機構をどのように生かすかということです。一つの方法は、Restekで開発されたBiphenyl固定相です。

Fig,1 Surface of C18 silica.

Fig,1 Surface of C18 silica.

Biphenyl固定相は、C18と同じように分散力によって化合物を保持しますが、より多くの分極性の化合物を保持することもできます。基本的に、Biphenyl相に存在する利用可能なπ電子は、電子が不足している化合物に対する保持を生み出します。共役には非常に多くのπ電子が存在するため、phenyl-hexylやdiphenylタイプよりも小さな極性化合物に対してよりよい保持を得ることができます。

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Fig. 2 Biphenyl

私は、メソッド開発をする際、BiphenylはC18よりも良い選択であると考えています。例えば、最近の食品関連の学会で見た例では、RestekのRaptor Biphenylを使用したLC-MS/MS分析で600種類以上の農薬の一斉分析がおこなわれていました。

どのような固定相にも、常になにかしら欠点があります。Biphenylの場合、それはUVにおけるブリードです。すべての固定相においてブリードが起こるというのは、ちょっとした業界の秘密です。C18はUVやMSでブリードは見られません。Biphenylは場合によってはUVでブリードが見られます。そのような場合はRestekのテクニカルサポートにお問い合わせいただければ、ブリードの抑制方法についてのアドバイスをさせていただきます。

ところでBiphenyl相はどのように生まれたのでしょうか。GCカラムのポリマー化学者やLCの研究開発者、アプリケーション担当など、本当に多くの優秀な人々が携わりました。ユニークで素晴らしい製品を生み出すには、実験や化学の基礎、そしてチームワークの素晴らしい物語がありました。。

Special thanks to Ty Kahler and Paul Connolly for their input in this blog