なぜGCシステムのリークチェックが必要なのでしょうか?
26 Jun 2013The original English blog was posted on June 27th, 2013 by Tom Bloom
あまりにも頻繁に、分析担当者から「私のGCシステムにはリークはありません」と聞きます。しかしどんなツールがあれば分析システムが本当にリークしていないことがわかるのでしょうか?分析性能を向上させ、トラブルシューティングを最小に抑え、カラムや高感度検出器のダメージを防ぐため、日常点検に電子リークディテクタを組み込むことを強くお勧めいたします。
リークのチェックを重要なトラブル防止の保守管理やラボの管理基準として考えると,実施しないわけにはいきません。リークが高価な高純度ガスを無駄にしたり、トラップや精製管の寿命を縮めたり、カラムを破損したり、システムや検出器のメンテナンス頻度が増えるといったことの原因となることをご留意ください。さらに、ECDなどいくつかの検出器はシステムのリークから酸素に曝されることによって重大なダメージを受けることがあります。
リークチェックにより多くの一般的な分析における問題を避けることができます。リークが頻繁で(多少は)わかりやすいHPLCシステムとは違い、GCシステムでのリークは捉えにくく適切な機器なしでは特定することが難しいことがあります。
- キャリアガス源やレギュレーターから始めて、GCへの流路に沿って各フィッティングや接続部を慎重にチェックします。
- オーブンファンを止めて、オーブン内も含めてすべてのフィッティングやアダプタ、接続部もチェックします。
- さらに,プレスタイトコネクタやユニオンといった、すべてのカラムとガードカラムの接続部も忘れずチェックしてください。リークを辿っていくと、接続時に押しつぶしてしまったり、正しく接続されていないカラムの端へとたどり着くことが多々あります。
キャピラリーカラムシステムのリークをチェックする最善の方法は、最新型のRestek Electronic Leak Detector (cat.# 28500)のような熱伝導率リークディテクタを使用することです。ポータブルで信頼性があり、あまり高価でない手持ち式の機器はシステムを汚染することなく微量のキャリアガスを検出します。
注記:GC/MS装置でのリークは質量数28(窒素)もしくは質量数32(酸素)をモニターするか、もしくはアルゴンガスをフィッティングや接続部の周囲に吹き付けて質量数40をモニターすることで検知します。もしくは,質量分析担当者の多くはアルゴンの代わりにエアダスター缶を使用しています。この製品は安価ですぐに入手できます。
注記:キャピラリークロマトグラフィーにおいては,石けんや界面活性剤を含んだ漏れ検出液を絶対使用しないように強くお願いしています。リークは検出液に含まれる物質をシステムに引き込みカラム汚染を引き起こしたり、高感度分析を難しくすることがあります。さらに、石けんベースの漏れ検出液は液相に不可逆的なダメージを起こすことがあります。
熱伝導率リークディテクタが利用できない場合、圧力封入リークテストでも主要なガスのリークを見つけることができます。この方法は研究施設での長いガス供給配管をチェックするときに非常に有用です。残念ながらこの試験はどこかにリークがあることを確認するためには有効ですが、リークの発生箇所を特定することは困難です。そう、リークは存在するのです。でも,どこなのでしょうか?
まとめると、GCを有するすべてのラボでは電子リークディテクタを備えるべきであり、すべての分析担当者は新しいカラムやフィッティングを取り付けたり、ボンベを交換したり、機器のトラブルシューティングを指示された際にはいつでもこの道具を使用できるようトレーニングを受けるべきです。カラムや検出器へダメージ与える可能性を最小限とするために、はじめにシステムのリークチェックをしないままカラムのコンディショニングをしないでください!
頻繁に、徹底的に、慎重にリークチェックを行うことでGCシステムのキャリアガス流路全体に欠陥がないことを立証でき、高価なカラムへのダメージを防ぎます。