ヘリウムから水素キャリヤーガスへのGCメソッド変換について

過去のPittConでRestekは、有機塩素系農薬のガスクロマトグラフィー分析における水素および窒素をキャリヤーガスとして使用することについて、プレゼンテーションを行いました。そのプレゼンテーションでRestekは、水素を使用するときと同じオーブン温度プログラムで、水素と同様のクロマトグラムを得ながら、水素と同じ線速度で窒素に置換する方法を示しました。残念なことに窒素の場合、ピークは広がり、ピークの分離は悪くなります。この置換が成功する要因の一つとして、Rtx-CLPesticides GCカラムが有機塩素系農薬に対して優れた選択性を持っていることが挙げられます。

Jaap de Zeeuw氏から、ヘリウムを水素に置換した場合に関しても、窒素を水素に置換して行ったのと同様の実験を行ってほしいという依頼がありました。おそらく水素の線速度は最適平均線速度を下回るので、分離の損失が発生するのではないか、それを確認したいとのことでした。実験結果として、分離の実質的な損失はなかったといことをここで紹介できるのは喜ばしいことです。Restek Method Translatorを使用して、水素の線速度をヘリウムのSpeed Optimized Flowから取得した元の線速度と一致させ、GCオーブンプログラムを同様の数値に保ちました。Restekのヘリウムを使ったメソッドと水素を使ったメソッドにおいてクロマトグラムはほぼ同一ですが、Agilent µ-ECDで水素を使用した場合、レスポンスは約半分に減少します。

このアプローチは人々がGC分析においてキャリヤーガスをヘリウムから水素に切り替える際のハードルを下げるのではないかと思います。

この後も最新情報をお届けしたいと思います！