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GCアクセラレータキットとEZGCメソッドトランスレータによる既存のGC-MS分析の高速化

分離を維持したまま、現在のGC-MS分析時間を短縮したいと思いますか?GCアクセラレータオーブンインサートキットをGCオーブンに設置し、EZGCメソッドトランスレータを使って既存のメソッドを効率の良い内径の細いカラム用に変換すると、同等の結果をより短時間で簡単に得ることができます。

Agilent GC用のGCアクセラレータキットは、断熱材で作られたインサートをオーブンに設置することで、加熱・冷却すべき体積が小さくなるため、オーブンサイクル時間の短縮につながります(図1)。これにより、昇温速度を大幅に上げることができ、ハードウェアやソフトウェアの変更なしに分析時間を短縮できます。また、GCアクセラレータのインサートはGC-MSユーザー向けに設計されているため、フロント注入口やMSトランスファーラインインターフェースを妨げることなくオーブンに設置できます。

図 1: GCアクセラレータオーブンインサートは、オーブンの体積を小さくするため昇温速度を上げることができ、分析時間の短縮を実現します。

高速分析そのものは、内径が細く、膜厚が薄い短いカラムを使用すればどのGCでも実行できます。細い内径と薄い膜厚は、よりシャープなピークを生み出す効率的なカラムです。その結果、分離を維持したまま分析時間を短くすることが可能となります。カラムサイズを変更する場合、内径と膜厚の相比を同じにすることが重要です。効率が良くなると、長さも短くなります。より効率的なカラムは、1メートルあたりの段数が高くなりますが、全体の段数を維持するためには適切なスケールダウンが必要となり、これにより新しいカラムを短くできます。ただし、単にカラムをスケールダウンするだけで同じ分離を短時間で実現できるわけではありません。同じ分離を短い時間で達成するためには、短く効率的なカラムを考慮し、重要なメソッドパラメータを調整する必要があります。それには、EZGCメソッドトランスレータが便利です。その方法を見てみましょう。

ここでは、図2の条件を用いてAgilent GC-MSでPCB分析をおこなっているとします。分離には満足していますが、サンプルスループットを上げるため、分析時間を短縮したいと考えています。まず最初に、同じ相比と理論段数の合計を持つ小さなサイズのカラムを選択します。

図 2: 現在のカラムサイズと分析条件

GC_EV1240
ColumnRxi-XLB, 30 m, 0.25 mm ID, 0.25 µm (cat.# 13723)
SamplePCB congener standard #2 (cat.# 32294)
PCB 31 (cat.# custom)
Diluent:Dichloromethane
Conc.:3.5 ppm
Injection
Inj. Vol.:0.5 µL splitless (hold 1.75 min)
Liner:2.0 mm ID straight inlet liner w/wool (cat.# 21718)
Inj. Temp.:300 °C
Purge Flow:50 mL/min
Oven
Oven Temp.:40 °C (hold 2 min) to 240 °C at 30 °C/min (hold 2 min) to 340 °C at 10 °C/min (hold 5 min)
Carrier GasHe, constant flow
Flow Rate:1 mL/min
DetectorMS
Mode:Scan
Transfer Line Temp.:300 °C
Analyzer Type:Quadrupole
Source Temp.:280 °C
Electron Energy:70 eV
Ionization Mode:EI
Scan Range:45-550 amu
Scan Rate:5 scans/sec

この例では、30 m、0.25mm、0.25µmのカラムから20 m、0.15mm、0.15µmのカラムへ切替ます。新しいカラムで同じ分離を短時間でおこなうための条件を得るには、以下の手順に従います。同じようにお試しになりたい場合は、 www.restek.com/ezgc-mtfcを開いてEZGCメソッドトランスレータ(図3)をご利用ください。

図 3: EZGCメソッドトランスレータ(デフォルト設定)

ステップ 1: キャリアガスを選択してください。

figure-article-GNAR2823-step01.jpg

ステップ 2: 現在のカラムサイズを入力してください。

figure-article-GNAR2823-step02.jpg

ステップ 3: 現在のカラム流量を入力します。平均線速度、ホールドアップタイムおよび注入口圧力は指定した流量に基づいて自動入力されます。MSメソッドなので、真空ボタンを押して出口圧力(abs)を0 psiに設定します。デフォルト設定も同様になっていますが、例えば、FIDを使用している場合の出口圧力(abs)は大気圧となりますので、ご注意ください。

figure-article-GNAR2823-step03.jpg

ステップ 4: 現在のオーブンプログラムを入力してください。

figure-article-GNAR2823-step04.jpg

ステップ 5: 流量制御方法が正しく選択されていることと、ラジオボタンがデフォルト設定の”Translate(変換)”を選択していることを確認します。”変換”を選択すると、EZGCメソッドトランスレータにスピードと効率のバランスを要求することになります。

figure-article-GNAR2823-step05.jpg

ステップ 6: 新しいカラムサイズを入力すると、EZGCメソッドトランスレータはそのカラムに対して短い時間で同等の分離をもたらす条件を提供してくれます。

a) 新しいカラムの流量とそれに関連したパラメータ
b) 新しい昇温速度
c) 同等の分離をもたらす短い分析時間

figure-article-GNAR2823-step06.jpg

この例では、分析時間は約8分、つまり30%程度短くなりました。これにより、今まで8時間かかって終了していたシーケンスが5.5時間強で終了できるようになります。また、GCアクセラレータオーブンインサートを使用することで別の利点も生じます。図4に昇温速度が42.7℃/minで240℃まで上げる新しいオーブンプログラムが示されています。標準的な100/120 Vオーブンでは、昇温速度はここまであげられません。実際のところ、200/220/230/240 Vの高速オーブンでもかろうじて可能な程度で、そのためには全てが最初の状態である必要があります。オーブンが設定された昇温速度に追随できない場合、保持時間が大幅に変わり、ピークの同定と定量に問題が生じる可能性があります。しかし、このように急激な昇温速度も、GCアクセラレータインサートを設置すれば達成できます。表Iは、Agilentのオーブンにこのインサートを取付けた場合とそうでない場合の最大昇温速度を示したものです。

図 4: GCアクセラレータインサートはオーブン体積を小さくすることで加熱/冷却時間を短縮し、早い昇温速度が可能となります

figure-article-GNAR2823-04.jpg

表 I: Agilent GC-MSオーブンにおけるアクセラレータインサートの有無による最大昇温速度

温度範囲 (˚C) 120 V オーブン昇温速度 (˚C/min) >200 V オーブン昇温速度 (˚C/min)

GC Acceleratorなし

GC Acceleratorあり

GC Acceleratorなし

GC Acceleratorあり
50–70 75 120 120 120
70-115 45 95 95 120
115-175 40 65 65 110
175-300 30 40 45 70
300-350* 20 30 35 65

* Agilentオーブンは450℃までプログラム可能ですが、この製品は350℃までしか試験されていません。 分析する前に、分析カラムが使用する温度と昇温速度に耐えられるかどうかを確認してください。

GCアクセラレータキットを取付けることで、分離を変えずに分析時間の高速化をおこなうことができます。この結果をご確認いただけるように、 Pro EZGC クロマトグラムモデラ―( www.restek.com/proezgcでご利用いただけます。)に変換されたメソッドを入力しました。図5のシミュレーションクロマトグラムで示されているように、新しいカラムサイズと分析条件を用いることではるかに短い分析時間で同等の分離を達成することができます。実際、新しい分析条件では最後のピークは11.5分に溶出し、昇温速度を上げることで分析時間が短くなっていることがわかります。

図 5: オリジナルメソッドと短いカラムとメソッド変換された条件によるモデルクロマトグラムの比較。変換されたメソッドでは、溶出順やピークの相対的な分離は同等でも、分析時間が短くなっています。

オリジナルメソッド (30 m, 0.25 mm, 0.25 µm カラム)

GC_EV1240

変換されたメソッド (20 m, 0.15 mm, 0.15 µm カラム)

figure-article-GNAR2823-05.jpg

このような変換をおこなう上での注意点は、内径が細く膜厚が薄いカラムにはスプリット注入が適しているということです。スプリットレス注入を用いて分析感度を上げている場合もあるかもしれませんが、効率が良くなることでシャープな高さのあるピークが得られ、感度は向上します。スプリット注入でも検出限界を満たすことができるでしょう。

スプリット注入の利点が二つあります。まず、膜厚が薄いと過負荷やフロンティングピークといった負荷容量の懸念が生じますが、スプリット注入で対処できます。次に、最大の利点は注入バンド幅を狭く保ち、カラムへサンプルを迅速に導入することです。その結果、ピークはシャープになります。スプリットレス注入、特に比較的幅広のライナー(例えば、内径4mmのウール入りシングルテーパーライナー)を使ったスプリットレス注入は、移動の時間が比較的ゆっくりで、バンド幅の広がりを引き起こし、その結果ピークが広がり、新しいカラムサイズの効率の一部を無駄にしてしまいます。スプリット注入に変えることで、効率を維持するために内径の細いライナーに変更することなく、これまでのライナーを使用できます。

結論として、同じ相比でサイズの小さい効率的なカラムを使用することで、多くのアプリケーションではるかに迅速に同等な結果を得ることができます。EZGCメソッドトランスレータは、簡単にメソッド変換をおこなうことができ、必要に応じてさらに変換されたメソッドを最適化することができます。変換されたメソッドを使用する場合、新しいオーブンプログラムがご使用のオーブンの性能を超えていないことをご確認ください。Agilent GC-MSをご使用の方は、GCアクセラレータキットを用いることでより厳しいオーブンプログラムを実施できます。このキットは、オーブンの体積を減らし、オーブンの加熱冷却速度を速め、最終的に分析時間の短縮を可能とします。

GNAR2823-JP

関連動画

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