小さなアイデアから生まれた革新的な成果

2005年、RestekのLC開発グループのチームは、biphenyl分子を基盤にした新しいphenylカラムの開発に着手しました。この開発が目指したのは、従来のLCカラムと比べてユニークな選択性を持つ新しい固定相を作り出し、LC分析において新しいツールを研究者に提供することでした。この小さなアイデアがどれほど大きな影響を与えるか、チームはまだその時点では予測できていませんでしたが、その成果は業界に革命をもたらしました。

Biphenyl 20th Anniversary Logo

「Biphenylカラムを使用する利点の一つは、その優れた分離選択性です。さらに、注入回数に対するカラムの耐久性および分析結果の再現性が高いことも、Biphenylカラムを選択する理由です。」  - Cedam Italia, Italy

「他とは一線を画す性能、これはこのカラムの強みになる!」

Biphenylカラムは、その初期の試作段階からすでに他のカラムとは一線を画すことが明らかでした。試作カラムの結果から、Biphenylの真にユニークな選択性が証明され、特に電子求引性官能基を含む分析成分に対して効果的であることが分かりました。移動相条件を変更することで、分析ごとに分離条件を容易に調整できる柔軟性を持ち、これがBiphenylカラムの大きな強みとなりました。また、従来のC18カラムでは分離が難しい化合物に対して、Biphenylカラムは高い分離能を示しました。このカラムの開発に貢献した科学者の一人であるRandy Romesberg氏は、「他とは一線を画す性能、これはこのカラムの強みになる!」と断言しました。

この開発により、Biphenyl固定相を採用した初のLCカラムが市場に登場し、業界初の革新が実現したのです。

「ハイスループットのマイコトキシン分析において、アフラトキシンB1、G1、B2、G2、OTA、ゼアラレノン、デオキシニバレノール、T2、H-T2、フモニシンB1、B2の分離が非常に良好でした。加えて、平衡化する時間が短い点も非常に有益です。Inert Biphenylカラムはその優れた性能により、他のアプリケーションの代替となることも想像に難くありません。」
- LCTech GMbH, Germany

適切な固定相を適切なタイミングで

Biphenylカラムは、乱用薬物分析において長年にわたって高い評価を得ています。その卓越したクロマトグラフィー性能によって、Biphenylカラムは特に2011年の米国オピオイド危機の際に不可欠なツールとなりました。Restekの記事「ビッグペインアッセイはRaptor Biphenyl LCカラムにより大きな苦痛ではなくなります」では、Biphenylカラムがいかに優れた性能を持っているかを実証しています。この研究では、231種類の化合物、40以上の同重体、10種類の薬物クラス、22種類のESI-で検出される化合物をわずか10分で分離するという驚異的な速度での分析を実現しました。この能力は、疼痛マネジメントアプリケーションにおけるBiphenylカラムの優位性を証明しており、全米の臨床試験ラボがこのカラムを選択する理由を明確にしています。

「私たちは、AB Sciex Triple Quad 4500を用いた50種類の分析成分を含む疼痛パネルのテストで、Restek Raptor Biphenylカラムを使用してiMethodを簡単にバリデーションすることができました。他のカラムに比べて分析時間も短縮でき、特にオピエートをはじめとする複雑な成分の分離が非常に良好でした。私たちはこのカラムに非常に満足しているので、現在、4台のTriple Quad 4500すべてにこのカラムを使用しています。」
- Oklahoma Pain Center, U.S.

Restekイノベーション20年の歩み

Restekは、創業から40年にわたり常にイノベーションを推進し続けてきました。その中でも、Biphenyl固定相の開発はクロマトグラフィー分野における重要な転換点となり、業界最先端のカラムハードウェアと組み合わせることによって、これまでにない分離性能を実現しました。特に、Biphenyl固定相は、最新のRaptorおよびForce Inertカラムをはじめとする5つのカラムファミリーで使用できるようになり、その適応範囲は広がり続けています。このBiphenyl LCカラムの成果は、Restekにとって大きな業績であり、クロマトグラフィー分野におけるマイルストーンでもあります。Biphenyl固定相がもたらした革新により、Restekは業界のリーダーとしての地位をさらに確固たるものとし、今後も新しいテクノロジーとアプローチを追求し続けることでしょう。このイノベーションの20年は、ただの始まりに過ぎません。

Biphenylカラムの革新:20年にわたる優れた選択性と分離性能」を見る

この革新的な固定相がお客様の分析にどのように役立つかをご覧ください。詳細はこちらから→
biphenyl lc column
  Biphenyl製品   Contact Us お問合せ(準備中)