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GC分析を高速化する革新的な方法
EZGC Method TranslatorとGCアクセラレータキットの有効活用

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概要

サイズの小さいカラムに切り替え、分析条件を調整することで分析時間は短縮可能です。GCアクセラレータキットを使用してオーブン体積を小さくしEZGC Method Translatorを使って既存のメソッドを効率の高いカラム用にスケールダウンします。この二つを組み合わせた方法によって、分析は高速化され、分析時間を短縮しながらも今までと同じ分析結果を得ることが可能となります。

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トランスクリプト

RestekのEZGC Method TranslatorとGCアクセラレータキットを使用して、今までと同等のGC-MS結果をより速く得る方法をご紹介します。

このビデオでご紹介するのは、GCアクセラレータキットEZGC Method Translatorを組み合わせて、スケールダウンしたカラムで効率化を図りつつ既存のメソッドで同様の分析結果を得る方法です。この方法は分析時間を短縮しながらも、今までと同様の分析結果をより早く得ることを可能にする、画期的でシンプルな手段です。

どんなGCカラムでも、内径(ID)を小さく、膜厚を薄く、カラム長を短くすれば、分析は高速化されます。内径が小さく膜厚が薄いとカラム効率が改善されるので、ピーク幅は狭くなります。つまり、相対ピーク分離が維持され、分析時間は短縮されます。カラムサイズを変更するときに重要なのは、内径と膜厚が比例するように調整して、相比を変えないことです。さらにカラム効率を改善したい場合には、カラム長をオリジナルよりも短くします。カラム効率を向上させると、メートルあたりの段数は多くなりますが、段数の総数はオリジナルのままが望ましいので、最終的なカラム長は短くなります。ただ、カラムが適切にスケールダウンされたとしても、それだけでより早く同じ結果を得ることは叶いません。

例を挙げましょう。Agilent GC-MSでPCB分析をここに示した条件で行ったとします。分離に関しては満足かと思いますが、分析時間を短縮して、一回の分析でのサンプル処理数を増やしたいと思いませんか?それなら、同じ相比で同じ理論段数にスケールダウンされたカラムを選定することから始めましょう。

この例では、カラム長30 m、内径0.25 mm、膜厚0.25 µmのカラムから市販のカラム長20 m、内径0.15 mm、膜厚0.15 µmのカラムに変更してみます。段数の総数は両者でほぼ同じです。分析時間を短縮しつつ、同じクロマトグラフィー分離を得ることが可能な、変更後のカラムでのメソッド条件変換は次の手順で実行します。例を見ながらEZGC Method Translatorを自分で使用してみたい場合は、www.restek.com/ezgc-mtfcにアクセスしてください。

まず、メソッドに適したキャリヤーガスを選択し、現行のカラムサイズを入力します。その後、現行メソッドのカラム流量を入力します。平均線速度、ホールドタイム、および注入口圧力は、指定したカラム流量に基づいて自動計算されることにご注意ください。ここではMSメソッドを実行しているので、出口圧力値が0 psiに設定され、「真空(Vacuum)」が選択されていることを必ず確認して下さい。これらはデフォルトの選択ですが、異なるものが選択されている場合もあります。例えばFIDを使用していて、出口圧力が大気圧であり、質量分析計で生成された真空ではない場合です。

次に、現行のオーブンプログラムを入力します。制御方法が正しいこと、とデフォルトで 「変換(Translate)」が選択されていること、を確認します。「変換(Translate)」を選択すれば、EZGC Method Translatorはバランスの良い速度と効率を計算します。新しいカラムサイズを入力すると、EZGC Method Translatorが残りの作業を行い、新しいカラム流量とそれに準じて計算された流量関連のパラメータ、新しい昇温レート(Ramps)を表示します。このようにして、分析時間を短縮しつつ今までと同じ分離を、スケールダウンしたカラムで得ることが出来ます。この例では、分析時間が8分近く短縮されましたが、これは分析時間の約30%に該当します。簡単に言えば、一連のサンプル分析には通常8時間かかりますが、それが5.5時間強に短縮されるということです。変換後メソッドが要求する昇温速度は、標準的なGCオーブンでは実現できない可能性があることにご注意ください。このような場合は、Agilen 6890および7890装置用のGCアクセラレータキットの使用が解決策となるでしょう。GCアクセラレータキットの使用で、オーブン体積は小さくなり、加熱/冷却時間が短くなります。結果として、昇温速度を上げられます。

上記のような変更を行う場合、この点だけは覚えていてください。より内径が小さく、膜厚が薄いカラムに切り替えるなら、スプリット注入モードとの組合せが最適である、ということです。スプリット注入には2つの利点があります。まず、膜厚が薄いことで過負荷のフロントピークが発生することがありますが、スプリット注入がそのような負荷容量に関するすべての懸念を解決する、という点です。次に、カラムへのサンプル移送が高速化されるので、分子のバンド幅が狭くなり、結果としてピーク幅も狭くなる点です。これは最大の利点です。

このように、同じ相比であれば、スケールダウンしたカラムに切り替えても、分析時間を大幅に短縮しながら同等の分析結果を得ることが可能です。RestekのEZGCメソッド変換ソフトウェアを使用すれば、どんなGCシステムでもこの効率化は実現できます。その上、変換後メソッドを最適化することさえも可能です。変換後メソッドを実行する場合は、新しいオーブンプログラムがお使いのオーブンの能力を超えないことを必ず確認してください。Agilent 6890および7890GC-MS ユーザーは、GCアクセラレータ キットを使用して、より積極的なオーブンプログラムを実現できます。GCアクセラレータキットの使用によりオーブン体積が小さくなっているので、オーブンの加熱/冷却時間が短くなり、最終的には分析が高速化されます。

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